代替卵開発に取り組む企業はこんなにあった!国内外の10企業を紹介!
|最近、代替肉が売られている場面を見る機会が増えたと感じる方は少なくないだろう。では、代替卵が売られている場面を見たことがある方はどれほどいるだろうか。筆者はまだ見たことがない。日本ではまだスーパーマーケットなどの食料品店で代替卵を見かける機会は少ないが、実は世界では代替卵の開発に取り組む企業がいくつも存在する。本記事では、代替卵の開発に取り組む国内外の企業を10社取り上げる。
目次
- EAT Just(アメリカ)
- Follow Your Heart(アメリカ)
- The Vegg(アメリカ)
- Eggcitables(カナダ)
- Bob’s Red Mill(アメリカ)
- Float Foods(シンガポール)
- ZeroEgg(イスラエル)
- EvoFoods(インド)
- ORGRAN(オーストラリア)
- キューピー(日本)
- 通販サイト
- まとめ
1. EAT Just(アメリカ)
引用元:EAT Just
2011年に設立。現時点で代替卵の商品は2種類ある。1つ目のJUST Eggは液体状の代替卵で、スクランブルエッグやフレンチトーストなどを作ることができる。2つ目のJUST Egg Foldedはトースターで焼くだけでパンなどに挟んで食べることができる。どちらも緑豆のタンパク質やキャノーラ油、ターメリック、にんじん等を用いて作られている。材料は全て非遺伝子組み換えであり、コレステロールも含まない。商品は日本でも通販サイトで購入できそうだ。
2. Follow Your Heart(アメリカ)
引用元:Follow Your Heart
1970年にスープやサンドウィッチを提供する小さなカウンターから始まった。当時からサンドウィッチに卵を使用しないマヨネーズを使用しており、現在は代替卵や代替チーズ、乳製品不使用のヨーグルトなども販売する。代替卵のVeganEggは粉末状で、豆乳パウダーやブラックソルト等から作られている。材料は非遺伝子組み換えであり、豆乳パウダーに関しては有機大豆が使用されている。水と混ぜてスクランブルエッグやパンケーキの生地、とろみのついたソース等を作ることができる。商品は日本でも通販サイトで購入できそうだ。
3. The Vegg(アメリカ)
引用元:The Vegg
2012年に設立。代替卵の商品が4つあるのでご紹介する。1つ目は黄身を再現したもので、フレンチトーストやディップ等を作ることができる。2つ目はスクランブルエッグを作ることができる商品である。3つ目はベイキング用で、ケーキやクッキー、マフィン等を作ることができる。4つ目はフレンチトースト用の商品である。特徴的なのは、1つ目と3つ目の商品は大豆不使用でニュートリショナルイーストが主な材料であるという点である。商品は日本でも通販サイトで購入できそうだ。
4. Eggcitables(カナダ)
引用元:Eggcitables
食物アレルギーを持つ人が卵料理を食べられるようにという思いで大学生が2018年に設立。商品のEggcitablesはひよこ豆をベースに作られており、大豆、ナッツおよびグルテンは含まれていない。オリジナル、ガーリック&チャイブ、チポトレ味の3種類があり、オムレツや焼き菓子など様々な料理を作ることができる。現時点では日本での購入はできなさそうだ。
5. Bob’s Red Mill(アメリカ)
1978年に設立。アメリカを代表するホールグレイン&ナチュラルフーズカンパニーで、全粒穀物を使った粉類や、オーガニック製品等を製造している。代替卵のGluten Free Egg Replacerは粉末状で、ポテトスターチ、タピオカ粉、重曹およびサイリウムハスクファイバー(水溶性食物繊維)の4つの材料からできている。スクランブルエッグやメレンゲには向かないが、クッキーやマフィンなど様々な焼き菓子に適している。材料は非遺伝子組み換えであり、それに加えてグルテンフリー専用の施設で製造されているため、セリアック病の方でも食べることができる。商品は日本でも通販サイトで購入できそうだ。
6. Float Foods(シンガポール)
引用元:Float Foods
2020年に設立。シンガポールのフードテック企業で、アジアで初めて全卵の代替卵「OnlyEg」を開発した。OnlyEgの特徴は、卵黄と卵白を再現している点である。シンガポールではナシレマやチャーハンなどの上に目玉焼きを載せて食べることが多く、そのような食生活に対応するために卵黄と卵白を持つ代替卵を開発したそうだ。加えて、OnlyEgは全卵に匹敵する栄養価を持ち、コレステロールやホルモン、残留薬剤を含まないため、健康的に卵料理を食べたいと考える消費者にとって魅力的なのではないだろうか。まだ商品化はされておらず、2022年内に商業化することを目標にしているようだ。
7. ZeroEgg(イスラエル)
引用元:ZeroEgg
2018年に設立された代替卵を開発する企業。健康、鶏、および地球環境の全てに優しくあることを掲げる。代替卵の材料には大豆、じゃがいも、えんどう豆およびひよこ豆などが使用されており、全て非遺伝子組み換えである。商品にはパテタイプ、液体タイプおよび粉タイプがあり、オムレツや焼き菓子、マヨネーズなど卵料理のほとんどを作ることができる。イスラエルに留まらず、アメリカやヨーロッパでも販売しているようだ。現時点では日本での購入はできなさそうだ。
8. EvoFoods(インド)
引用元:EvoFoods
優れた代替品を作ることで畜産業を終わらせることを目標に2019年に設立。商品は液体状で、緑豆、ひよこ豆およびえんどう豆などのタンパク質から作られている。使用されている全ての材料は非遺伝子組み換えである。スクランブルエッグやオムレツを作ることができる。ビタミンB12、D3、BCAA(3種類の必須アミノ酸)などを含んでいるのが特徴だ。2022年に国外で発売することを目標にしているようなので、日本でも購入できるようになることを期待したい。
9. ORGRAN(オーストラリア)
引用元:ORGRAN
1984年に設立。アレルギー対応食品を製造する企業で、全ての商品がグルテンフリー、小麦フリー、卵フリー、乳製品フリー、イーストフリー、ナッツフリー、大豆フリー、GMOフリー、ヴィーガンに対応している。代替卵の商品としてはNo egg (Natural egg replacer)とVegan Easy Eggがある。前者は焼き菓子やケーキ、メレンゲ、マヨネーズなどを作ることができ、後者は、スクランブルエッグ、キッシュ、フリタータ、オムレツなどを作ることができる。現時点では日本での購入はできなさそうだ。
10. キューピー(日本)
引用元:キューピー
キューピーといえばマヨネーズなどの卵製品を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。そんなキューピーが代替卵の開発に取り組んでいる。商品の「HOBOTAMA」は豆乳加工品をベースにして作られており、スクランブルエッグのような食感と味が再現されている。現時点では、飲食店やホテル、給食等での提供に限られているようだ。一般家庭でも使用したいと考える方は少なくないと思うので、家庭用に販売されることを期待したい。
11. 通販サイト
日本でも通販サイトで購入が可能であるとご紹介した商品については、Vegan Essentials(https://veganessentials.com/)やAmazon(https://www.amazon.co.jp/)で購入できる。
12. まとめ
本記事を執筆するまで、筆者は代替肉や代替卵の開発は欧米諸国で進んでいて、その他の地域ではあまり進んでいないというイメージを持っていた。しかし、実際にはシンガポールやイスラエル、インドなどアジアの国々でも代替卵の開発が行われている。アジアは人口が多いため、代替卵が浸透すれば地球環境に与える影響の軽減に繋がるのではないかと期待せずにはいられない。また、印象的だったのは非遺伝子組み換えやアレルギーなどに対応した商品が多いということだ。環境、動物および健康に配慮された美味しい代替卵が簡単に手に入る日が早く訪れることを願う。
参考サイト
・https://www.leafscore.com/eco-friendly-kitchen-products/the-best-plant-based-eggs/
・https://vulcanpost.com/725010/float-foods-onlyeg-plant-based-egg-singapore/
・https://upperleft-style.com/pages/bobsredmill
・https://www.foodbusinessnews.net/articles/17010-zero-egg-debuts-in-us-market
・https://yourstory.com/2021/04/plant-based-egg-startup-evo-foods-raises-pre-seed-round/amp
・https://www.kewpie.co.jp/prouse/products/detail.php?p_cd=56800
動物愛護や環境問題の観点から2020年の夏にヴィーガンになりました。食べることが大好きで、プラントベースの商品を見つけると嬉しくてつい買ってしまいます。読者の皆さんも私自身も気になるトピックを取り上げ、知ることができてよかったと思っていただける情報を発信していきたいです!