Mogale Meatがアフリカでの大規模な培養肉の計画を発表、まずは鶏肉からスタート

南アフリカのフードテック・スタートアップであるMogale Meatが、アフリカ初の培養鶏肉を発表した。


引用元:Mogale Meat

 南アフリカのMogale Meatが、1年半の研究開発期間を経て初めて培養鶏肉を発表した。同社は今回、画期的な実例を示すために鶏肉を選んだが、将来的にはジビエ肉の培養に力を入れる意向だ。Mogale社は世界で100以上ある培養肉の開発を進める企業のうちの1社として、完璧に近い鶏胸肉を誕生させたことを、業界や南アフリカにとって画期的な出来事と位置づけている。

 また、同社はこのイノベーションが生物多様性や野生動物の保護と並んで、アフリカの食糧安全保障の新たな夜明けを示すものだと主張している。実際に、アフリカの人口は今後30年間で倍増すると予想されており、アフリカ大陸が新しい持続可能な国内食糧システムを形成するべく動いている中で大きな成果だ。


引用元:Mogale Meat

   

食肉とミッション

 アフリカ全域で食糧の確保は喫緊の課題だ。既存の農業システムは、動物の生息地に影響を与えながら景観や生物多様性に圧力をかけている。そのため、より持続可能な代替タンパク質へと軸足が移りつつある。しかし、植物性の肉は動物性の肉より高価なのが現状だ。また、培養肉は現実的な選択肢だが国産でなければならず、コストダウンが急務だ。Mogale社は、このような問題意識に根ざして設立された。

 Mogale Meatは、8カ月かけて鶏の胸肉の培養に成功したという。同社はこの試みによってXPRIZE「Feed the Next Billion」コンテストへ参加した。参加32チームのうち、アフリカから唯一のセミファイナリストとして最終選考に残った。参加者は鶏肉と魚のどちらを開発対象として選ぶかを問われ、Mogale Meatはアフリカ大陸で最も人気のある肉であることから、鶏肉を選択した。現在、同社は今年末のジビエ肉の発売開始に向けて規模拡大とコストダウンに注力している。


引用元:Mogale Meat

    

人がいるところに、食を

 また、Mogale社はアフリカに貢献する製造方法にも目を向けている。他の培養肉企業はより大きな施設やレストランとの戦略的パートナーシップによって、迅速に規模を拡大しようとしているが、同社は異なるアプローチをとっている。新しい生産システムによって培養肉を試作し、多くの人が住む地域で培養肉を生産できるようにしたいと考えている。将来的には培養ジビエ肉が大衆的に食べられるようにする考えだが、そのためには生産コストの問題に取り組む必要がある。

「Mogale Meatは、環境に優しい食品技術を開発し、健康的なジビエ肉への見方や食べ方に影響を与えるだけでなく、野生動物産業、国立公園、野生動物と暮らす地域社会の経済的・社会的福祉を支援し、その水準を高めている」と、同社の創業者でCEOのポール・バーテルズ博士は述べている。

    

ビッグゲームへの準備

 昨年10月、モガレ社は牛科の動物の細胞バイオバンクを構築中であると発表した。当時、すでに放し飼いの牛の品種から500のサンプルを採取し、培養肉製品の開発に利用する予定であった。また、投資プラットフォームのCULT Food Science社がモガレ社に未公開の金額を投資し、Mogaleの取締役に就任したことも明らかにされた。

    

養殖肉分野におけるアフリカの存在感

 アフリカの食卓に培養肉をもたらそうとしているのは、Mogale社だけではない。今月初め、Mzansi Meatはアフリカ初の培養牛肉バーガーを開発したと発表した。2年にわたる研究開発の成果であり、今年4月に開催されるイベントで発表される予定だ。Mzansi社もMogale社と同様に、アフリカ大陸の食料安全保障に新たな波及効果をもたらすことを期待している。

 また、シーフード業界に取り組む企業として、Sea-Stematicがある。同社は代替シーフードに焦点を当てたアフリカ初のフードテック企業だ。Marica Quarsingh氏という女性が創業したこの会社は、赤身の肉を「より健康的な」魚のタンパク質に置き換えるという現在のトレンドから代替シーフードの分野に可能性を見出し、大規模な研究開発に取り組んでいる。

   

参考サイト:

https://www.greenqueen.com.hk/mogale-meat-debuts-first-cultivated-chicken-in-africa/

https://mogalemeat.com/

   

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