サトウキビを使った骨付きヴィ―ガンチキンがスーパーで販売開始、一部の買い物客「不快」

Kotori | 2022年4月21日 | ニュース | コメントはまだありません

史上初、肉を使わない「チキンウィング」に「骨」がついていることで、一部のヴィーガンが「不快に感じる」と主張し、議論を呼んでいる。

　東ロンドンを拠点とするストリートフードブランド「Biff’s Plant Shack」（ビフ社）は、サトウキビの「槍」を使用したウィーガン骨付きチキン、クリスピーフライドジャックフルーツウィングス（Crispy Fried Jackfruit Wingz）をWaitrose（イギリスのスーパーマーケットチェーン）で4月6日から販売を開始している。同社は、植物性食品であるからと何かを犠牲にするのではなく「本物のチキンウィングを食べる体験」を提供したいと述べる。

ビーガン用の骨

　本商品の「ビーガン用の骨」は、サトウキビの槍をカットしたもので、それをジャックフルーツで包み、サクサクのパン粉を混ぜたものでコーティングしている。ビフ社は、この骨を使うことで、世界で最も本物のチキンウィングに近い商品を提供できると考えており、肉食だけでなく、ビーガンの人々にも試してもらいたいと考えている。また、レストランでは、ヴィーガン用チキンウィングが提供されたことはあるが、スーパーマーケットで販売されるのは今回が初めてである。この商品は、ビフ社の新しいストリートフードシリーズの「目玉商品」として、イギリス国内のスーパー、Waitrose 280店舗で発売され、4個入りで4.50ポンド（約730円）である。

骨に「不快感」の一方で「楽しみ」の声

　ビフ社によると、このチキンウィングは「骨なしを新たに定義」し、ビヨンドミートのバーガーやプラントベースツナ缶など、他のビーガン製品の仲間入りをすることになるという。多くのファンがこの製品を評価する一方で、骨があることに「不快感」を感じるという声もある。

　創業者のBiff Bloom-Burrows氏は、この商品のリアルさに気分を害するビーガンがいるかもしれないことも認めている。その上でこのように述べている。

「ビジネスとして、Biff’s Plant Shack社は、植物をこの世にない味にすることで、私たちがこの世にいられるようにすることを目指しています。地球にとって良いだけでなく、肉に対して、味、経験、インパクトの全てで上回ることができるということを人々に示す製品を作りたいのです。

サトウキビ骨を一口食べると、ビーガンの人は少し変に感じるかもしれないことを理解しています。特に、肉製品でいつも不快に感じていた骨があればなおさらです。私たちはそのような意見を尊重しますが、時を経て、人々と関わり会話をすることで、プラントベースの食材がもたらす効果を表す方法として、この商品をますます誇りに思うようになりました。

チキンウィングは毎年何十億本も食べられており、スーパーボウルウィークエンド（アメフト最高峰の大会がある週末）だけでも14億本（3億5000万羽分）が消費されています。本物を再現したヴィーガンの代替品には大きな需要があります。この数字に少しでも歯止めをかけることができれば、大きな変化を生み出すことになるでしょう」

　この発表に対し、インスタグラムでも人々の意見が分かれた。「”骨 “に少し違和感を覚える人はいないのか？」という声の一方で、おいしそうだという声もあり「全シリーズを試すつもりよ！」との意見もあった。

Biff’s Plant Shackについて

　Biff’s Plant Shack社は、長年ヴィーガンであったChrista Bloom-Burrows氏が当時アマチュアシェフでビーフバーガーを愛していたパートナー、Biff氏を説得し、プラントベースの食生活を取り入れた後、2017年、2人によって設立された。

Biff氏はプラントベースの商品を作ることに着手し、ジャックフルーツのチキンウィングレシピ（サトウキビの骨付き）を初めて完成させた4カ月後に仕事を辞め、自身で屋台を始めた。このほかにも、ジャックフルーツのクリスピーフライバーガー、スモーキーチリチーズワッフルフライ、バンギングバジローデッドフライ、植物性ソース2種など、さまざまなストリートフードを提供している。また、同社は、ロンドンのダルストンに本店を構え、イギリス全土に約50のデリバリーキッチンを展開している。