COVID-19が代替肉市場を押し上げる結果に
|パンデミックの影響で従来の食肉加工が混乱していることもあり、植物由来の代替品の販売と関心が高まっており、食の未来を変えている。
食肉加工工場はコロナウイルスの発生に対して特に脆弱であることが証明されており、また、食肉の消費は気候変動の原因となっている。よりおいしい代替食品は、タンパク質のサプライチェーンを強固にすると同時に、環境への影響を軽減することもできる。
国連食糧農業機関(UN Food and Agriculture Organization)は一人当たりの食肉消費量がこの9年間で最低レベルまで低下すると予測していることを報告した。
– 米国では、一人当たりの食肉消費量が少なくとも2025年まではパンデミック前のレベルに戻らないと予想されている。
従来型の食肉の需要が減少している一方で、植物性の新しい代替品が増加している。
– ニールセンのデータによると、代替食肉製品の食料品店の売上高は5月2日までの9週間で264%増加した。増加速度はパンデミック前より速い。
– 代替食肉の大手メーカーImpossible Foodsは、同社の製品を扱う食料品店の店舗数が3月から18倍に増加し、2020年末までに50倍になると予測していると報告した。
– 先月、世界最大の食肉販売会社であるJBSは、植物ベースのハンバーガーやチョリソーの自社のブランドで発売した。これは従来の食肉生産者が植物ベース肉のビジネスに参入しようとしていることを示している。
2019年からの3%の下落は、世界中の人々が高価な肉を食卓からカットしているため、パンデミックに起因する景気後退の結果の一部。米国の牛肉価格は5月に10%上昇したのは食肉加工工場でのCOVID-19の蔓延によるものが大きい。
– 最貧国の開発途上国では状況は悪化し、コロナウイルスとそれに伴う封鎖によって食糧供給が崩壊していた。
– オックスファム・インターナショナルの新しい報告書では、今年末までに、パンデミックを原因とする飢餓で1日あたり最大1万2千人が死亡すると推定している。
環境保護主義者の中には、最も人気な代替食肉製品は加工されすぎていると批判する人もいるが、加工された後の代替肉の品質はコロナウイルスに対して強い。
– ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、4月と5月に17,300人以上の食肉・家禽労働者がCOVID-19に感染していると報道した。食肉加工業者が1,000平方フィートの製造スペースあたり3.2人の労働者を雇用していることが一因とされてり、この数値は全国製造業平均値の三倍になる。
– 代替タンパク質の生産は、従来の食肉加工より大幅に自動化されている傾向があり、労働者数が少ないということは、アウトブレイクの可能性が低いということを示している。
– シカゴに本拠地を置く代替タンパク質会社ネイチャーズファインドのCEO、トーマス・ジョナス氏は”私たちが重視しているのは効率性を高めること。より少ないコストでより多く成果を成すこと、これは今後の数十年間私たちのモットーにするべき”と述べた。
この春、Nature’s Fyndは35,000平方フィートの製造施設でイエローストーンの温泉の研究中に発見された微生物を使って、代替タンパク質を製造している。同社によると、フル稼働時に、16,000エーカーの放牧地で生産された牛肉の年間生産量と同等の量のハンバーガー代替品を作ることができ、温室効果ガスはわずか1%となるようだ。
最近この業界が成長しているにもかかわらず、代替食肉部門の規模はまだ従来の食肉産業の数分の一に過ぎない。