Evo Foods、世界初の「熱に強い」ヴィーガンゆで卵を開発!

インド・ムンバイのスタートアップEvo Foods社は、植物性卵の新製品として熱に強い植物性ゆで卵を発表した。昨年発表した緑豆を原料とする液状全卵の代替品に続く商品となる。この新商品は、栄養面でも価格面でも従来の卵と同じように設計されている。

引用元:Evo Foods

 この新しい「加熱して食べる」ヴィーガンゆで卵は、2021年にインドの植物性タンパク質スタートアップとしては最大級となる100万ドルのプレシード資金調達後に発表された。ヴィーガンゆで卵を開発するために、Evoはインドで栽培された植物タンパク質のデータベースを作成し、さまざまなパラメータに基づいて卵のタンパク質と比較した。最も相性の良いタンパク質を選択した後、独自の食感表現技術を使って完成品を作り上げた。既存の液状卵の開発と並行し、レストランパートナーを通じて今月中に発売される予定だ。ムンバイ、デリー、バンガロールが最初の出店地として指定されている。

     

業界を前進させる

 Evo Foods社はムンバイのJio World Driveモールで新しいゆで卵を展示し、わずか数時間で完売させた。同社によると、このイベントは近々予定されている商業的な発売を支援するものだったということだ。同社は、健康的な卵の代替品に対する需要があることを認識し、そのため製品ラインを拡大していると述べている。

 Evo Foods社の共同創設者兼CEOであるKartik Dixitは、「私たちの野望は、インドから世界に向けて真にグローバルな植物由来の会社を作るということであるため、イノベーションとスピードはEvo Foods社のDNAである。インドでのロックダウンを含む研究開発のわずか1年で、この偉業を可能にした強力な科学者とエンジニアのチームがいることは、非常に幸運だ。」と述べている


引用元:Evo Foods

 同社は現在、新たな資金調達ラウンドの真っ只中にある。国内外から投資家が参加する「大型」ラウンドであること以外、詳細は発表されていない。これまでの投資家には、Big Idea Ventures、Sustainable Food Ventures、Better Capitalなどがいる。

     

インドの大企業ができるまで

 Evo Foods社は2019年に設立された。バイオテクノロジーを使って適切な原料から植物性タンパク質を抽出し、本物の卵の多用途性と食感を再現することに注力している。このスタートアップの液卵づくりは、ベースとしてレンズ豆のタンパク質を使用している。この開発の成功により、同社はBeyond Meat社の元アドバイザーであるジョセフ・プグリシ博士を含む、多くの著名なアドバイザーを迎え入れることになった


引用元:Evo Foods

 液卵の発売は当初2021年を予定していたが、ゆで卵と同時に発売するため一時停止したようだ。2026年までに世界展開することは、依然として揺るぎない目標である。Evo Foods社の共同創設者であるShraddha Bhansali氏は「ベジタリアンであり、持続可能でクリーンな食事の支持者である私は、自分のレストランで顧客に対応しながら、植物性タンパク質の分野で大きな市場のギャップと需要を観察した。私たちの目標は、今後5年以内にEvo Foods社を全大陸に展開することだ。私たちは、人、地球、味覚に優しい、偏見のない未来の食品ブランドを作ることを目指している。インドでは植物性革命が始まったばかりだが、私たちはこれまでにないおいしい食品を提供することで、この運動の最前線に立ちたいと考えている。」と、昨年の声明で述べている。

    

代替卵の台頭

 ヴィーガンの卵を作ろうとしているスタートアップはEvo Foods社だけではなく、ヴィーガンのゆで卵を発表したのもEvo Foods社が初めてではない。スイスの小売業者Migros社はこの11月に独自のバージョンをデビューさせ、テキサスのスタートアップCraft Counter社は2021年8月にWunderEggsを展示しており、現在予約販売を行っている。2022年6月に発送開始の予定である。

 卵の代替品を求める消費者のニーズが高まるにつれ、様々な製品が開発されている。先月、ドイツの新しいブランドThe VGNは、ソラマメから作られた全卵の代替品を作ったと発表した。このスタートアップは、Lidl社の元マネージャー4人が設立したもので、小売とマーケティングの経験を生かし、植物由来の新しい選択肢をまずはドイツで、その後欧州やその他の国々で展開することを決定した。


引用元:Craft Counter

 シンガポールのFloat Foods社は、OnlyEgの特許を申請したことを発表した。この製品は、従来の鶏卵と同量のタンパク質を含んでいるが、その黄身はコレステロールを含まない。

 卵白の代替品は特によく開発されており、その多くはB2B向けである。フィンランドのOnego Bio社、イスラエルのInnovoPro社、ベイエリアのプラットフォームThe Every Companyなどが進捗状況を報告し、まもなく発売される予定であることを伝えている。

     

まとめ

 今回ご紹介したEvo Foodsのゆで卵は、熱に強いという点が特徴のようだ。他社においても植物性のゆで卵は作られているようだが、手に入るようになるまではもう少しだけ時間がかかりそうだ。これまで代替卵は代替肉と比較したら開発も普及も遅れを取っていた。また、開発される代替卵は液状や粉末状のものが多く(https://media.nextmeats.jp/alternativeegg_company10/参照)、用途がスクランブルエッグやお菓子などに限られていた。そこにゆで卵が加わることでプラントベースの食生活がさらに豊かになるだろう!

参考文献

https://www.greenqueen.com.hk/evo-foods-vegan-boiled-egg/

https://www.craftycounter.com/products/wundereggs

   

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