ビヨンド・ミートが中国で プラントベースの「豚挽き肉」を発売

ビヨンド・ミートは中国人が最も好む肉をプラントベース製品化し、発売を開始した。

引用元:Beyond Meat

 今月18日、米カリフォルニア州を拠点とする代替肉ベンチャーのビヨンド・ミートは、動物肉を使わない「豚」挽き肉を新商品として発表した。

 この新商品は、餃子や春巻きなど多くのアジア料理によく使われる具の味に似せることを目的として作られた。同社によれば、ラーメンのトッピングやスパゲッティ、ミートボール、スパイシーなボロネーゼ、ビスケットやグレービーなどの料理として提供可能だという。(ビヨンド・ミートは、これまでに豚肉風のプラントベースソーセージを製造している)
 18日から期間限定で、上海の5つのレストランでこの新商品を食べることができるようだ。
       

ビヨンド・ミートの中国担当ゼネラル・マネージャーであるキャンディ・チャンは、「中国でビヨンド・ポークを発売することができて嬉しい限りだ。ビヨンド・ポークは弊社にとって重大な節目だ。私たちは全く新しい製品のイノベーションを起こしただけでなく、中国市場に特化して作られた最初のプラントベース製品を発売することになる」とコメントしている。
 彼女は、「この製品の中国での独占販売により、我々は中国という重要な市場への関与をより一層強固にする」とも言及している。

 同社の発表は、中国の消費者にとって新しい選択肢として歓迎されるであろう。

 2019年、長きにわたって世界最大の豚肉消費国であった中国は、アフリカ豚熱の発生により大規模な生産危機に陥った。この騒動で、一時的に他の種類の肉に切り替えざるを得ない消費者もいたようだ。

 それ以前では、中国の公式データによると、豚肉は中国全体の食肉消費量の約70%を占めていた。

 Rabobankのアナリストは直近の調査報告書で、今年、中国の養豚農家はある程度の回復を見せ、供給量の増加と価格の緩和が見込めると述べている。
 しかし、世界的には「飼料価格の高騰、経済動向の悪化、中国国内での豚肉供給立て直しにより輸出成長が鈍化していることを考えると、生産者は厳しい見通しに直面している」と同調査報告書で指摘されている。
      

中国をめぐる戦い

 ビヨンド・ミートは、米国企業の成長には欠かせないとされる大きな市場である中国本土で好調に事業を拡大しつつある。

 今年初め、ビヨンド・ミートは中国のハイテク大手企業であるアリババ(BABA)との提携を発表し、中国本土のスーパーマーケットで初めてビヨンドバーガーを販売した。

 また、KFC、ピザハット、タコベル(Taco Bell)など、中国で最も人気のあるファーストフードチェーンでも製品を展開している。肉を使わないパスタやラザニア、ラップサンドといった中国でのメニュー展開を目的とし、同社がスターバックスとの大規模な提携を発表した数週間後のことだ。
 同社は中国の食品流通業者であるSinodis社とも契約を結び、中国のレストランやケータリング業者への供給においてサポートを受ける見込みだ。
    

 しかし、このような勢いがあっても実際の競争は激しい。中国本土で代替肉の流行がまだ続いている一方で、同社は、同じくカリフォルニアに拠点を置く代替肉ベンチャー企業で、中国での展開を計画するインポッシブル・フーズ(Impossible Foods)など、他の人気企業と競い合っている。

 10月、そのインポッシブル・フーズは香港とシンガポールのスーパーマーケットで牛肉の代替肉製品を発売した。アジアでの販売地域拡大と、パンデミックによる家庭料理ニーズの高まりに活路を見出したい考えだ。
            

参考サイト: https://edition.cnn.com/2020/11/18/business/beyond-meat-china-intl-hnk/index.html