台湾のヴィーガンスーパーで購入した代替肉の缶詰を実食レビュー

 台湾はその人口のうち約10%がベジタリアンであると言われており、とてもベジフレンドリーな国である。

 そんな台湾の台北にはなんと、100%ヴィーガンのスーパーマーケットが存在する。2017年にイギリスロンドンにヴィーガンスーパーマーケット”GreenBay”がオープンしたが、この台湾ヴィーガンスーパーマーケットiVeganはそれよりも数年早い2013年8月に営業を開始した。

iVegan

  iVeganは台北メトロ松山新店ライン沿い萬隆駅近くにあるヴィーガン製品だけを扱うスーパーマーケットである。

 iVeganでは一般的なスーパーマーケットのように食料品はもちろん、日用雑貨まで多くのものが販売されている。

生鮮品(フルーツ・野菜等)
冷凍食品
加工品(お菓子・インスタントヌードル等)
日用雑貨(シャンプー・洗剤・ペットフードまで様々)
大豆ミートの種類も豊富。

 乾燥大豆ミートの値段は200gで45 – 60NTD(約160 – 210円)とお手頃。
 iVeganで販売されているものは全て新哲興業股份有限公司で生産されたものであった。

iVeganでは缶詰や瓶詰製品もたくさん見受けられた。

 この中に大豆ミートを使った缶詰を発見したので、実際に食べてみることにした。
     

実食レポ

 今回はこの二種類、香茹麺筋(セイタンのシイタケ煮)と黑瓜素肉醤(黒キュウリとセイタンの肉醤)を食べ比べ。肉醤というのは台湾でよく食べられるひき肉に砂糖、醤油、唐辛子などを合わせて煮詰めたもの。もちろん今回のものはフェイクミート(セイタン)を使用。
       

 パッケージには全素(五葷抜き完全植物性)の文字がついていて一目でヴィーガンであるとわかる*。(*たまに蜂蜜が含まれることがあるので完全ヴィーガンとは言えない。)

 正直なところ初めて台湾の缶詰を食べる人に(とくにキュウリの缶詰)は買って食べるのに勇気のいる見た目である。

<< 製品情報 >>
ブランド:大茂食品
代替肉の種類:セイタン
価格:各29NTD (約105円)
保存期間:3年

左がシイタケ、右がキュウリと煮たもの

 さっそく台湾風にご飯にのせて食べてみよう!!!
 まずはシイタケとセイタン。

 食べた瞬間シイタケの味が口に広がる。肝心のセイタンは薄く柔らかくて湯葉や油揚げのような食感である。
 味は甘くて稲荷の皮を食べているような気分…。どちらかというとシイタケがメインに感じた。

原材料:グルテン、醤油、水、砂糖、椎茸、サラダ油、香料(L-グルテンナトリウム、コハク酸二ナトリウム)

 原材料を見てみると、やはりシンプル。 つづいて黒キュウリとセイタン。

 ほんのりピリ辛。甘辛い味付けでご飯がよく進む。
 黒キュウリも入ってはいるがセイタンと一緒に柔らかく煮てあるので存在感はない。汁が多め。こちらもセイタンの食感は細かく刻んだ湯葉という感じで肉肉しさは全くない。

原材料:グルテン、フラワーメロン、大豆ソース、水、チリソース、サラダオイル、ゴマ油、砂糖、塩、香料(グルタミン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、5′-イノシンリン酸二ナトリウム、5′-鳥プリンヌクレオシドリン酸二ナトリウム)、椎茸抽出物、花椒、シナモン、クローブ、スターアニス、クミン、三奈、甘草、香料

 こちらは花椒、クミン等のスパイスがたくさん入っている分台湾らしい味も感じられたし旨味もあった。

 結果どちらも想像してたより油っぽくなくて美味しかった。
  

まとめ

 スーパーに置いてある製品を見ると、肉肉しい人工肉というよりも素朴な大豆肉やセイタン製品、肉の代わりに高麗菜(キャベツ)やシイタケを使った餃子や肉まんが多いように感じた。
 台湾は古来よりベジタリアン文化が根付いていたため、現在も市場に出回っている植物肉は、上記のような伝統的かつシンプルな手法によるものが多いと考える。
 国内に向けた代替肉開発はそこまで進んでいない印象。台湾人は昔から文化の一部として素食(ベジ多リアニズム)と触れ合ってきているので代替肉に対する理想、求める姿勢は高くないのかもしれない。
      

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