イスラエル 3Dプリンターを用いた代替肉開発に13.5億円 投資
| イスラエルの代替肉ベンチャー、SavorEat(セーヴァー・イート)が、テル・アヴィヴ株式市場(TASE)で始めてのIPO(新規株式公開)を行った。既にプレマネー・バリュエーションで約52億円(5000万ドル)以上の高値が付いている。
約2年前に設立されたこの企業は、3Dプリンターを用いた植物性代替肉の開発に着手しており、約13.5億円(1300万ドル)規模の資金をイスラエル国内の数々の投資家から調達している。
Globesによれば、SavorEatのIPOは、TASEで初となるフード・テックのIPOだったため、投資家からも大きな注目を集めているということだ。
次世代の商品
SavorEatは、「次世代の代替肉」として自社の商品を売り出している。彼らの商品は、セルロースナノファイバーを主原料としており、この原料は植物由来でありながら、しっかりと材料をまとめ上げ、動物肉に似た食感と味を再現している。特殊な装置を用いることで、商品に含まれる脂質とタンパク質の配合も細かに調節できるそうだ。
この商品開発の要となった加工技術は、エルサレムのヒブリュー大学農学部で開発された。
食肉消費の削減
SavorEatの CEOレイチェル・フィズマン氏は、
「現在の食肉消費を削減させるための唯一の方法は、品質と安全がしっかりと担保された代替肉の開発に限る。」と言う。
また続けて、
「私たちのビジョン、技術、チームに対する思いに共感をしてくれた投資家の皆さんには大変感謝している。私たちの旅路はまだ道半ばだが、現時点での資金調達は今後の私たちの会社の発展と発明の数々にとって、大きな力となると確信している。」とコメントしている。
代替肉の高まる需要
イスラエルでの代替肉に対する需要は近年高まり続けている。大手ファストフードチェーンのマクドナルドは、国内全域の店舗で既にヴィーガン・バーガーの販売を始めている。
また今年初めには、イスラエルで初めてとなるヴィーガンを支持する内容のテレビコマーシャルが放送された。およそ35%の国民が視聴し、話題を呼んだ。
中東の国々でも、他地域に劣らずプラントベースに注目が高まっていることが目に見える。世界が協力し、食を通じて地球環境の保全に貢献できることを切に願いたい。