IKEA(イケア)がフードメニューの半分をプラントベースに
|北欧スウェーデン発の家具・インテリア製品大手IKEA(イケア)は、2025年までに自社の全レストランメニューの半分をプラントベースにすると先月23日に発表した。これは近年イケアが取り組んでいるサステナビリティ事業の一環であり、この他にも自社製造の加工食品のうち80%をプラントベースに移行させ、約6億8千万人の顧客にサステイナブルな選択肢を提供するとした。
GlobeScanを始めたとした消費者調査報告書や科学論文によれば、世界27ヵ国のおよそ75%の消費者がよりサステイナブルな選択をしたいという意欲はあるが、それを行動に移す方法をわからずにいる、とのことだ。
「イケアはおいしいプラントベース食品の提供を通じて、健康的でサステイナブルな食の選択肢が最も望ましいことを示したい。」と、イケアグループCSOレナ・プリップ=コバック(Lena Pripp-Kovac)氏は伝える。
また続けて、
「サステイナブルな選択肢を手頃で最も望ましいものにすることの重要性は、数々の研究報告でも明らかにされている。だからこそ、イケアはここで社会にとって有益な変革を起こすことができると自負している。よりサステイナブルな選択肢というのは少数の富裕層のためだけの贅沢品に留まってはいけない。あらゆる人々の毎日の生活の一部として成り立たなければならない。」
とコメントしている。
近年イケアは、プラントベース食品の開発・販売に力を入れてきた。2015年、スウェーデンの企業が初めて、ヴィーガンのスウェーデン・ミートボールの開発に成功した。
そして今年、イケアは肉質を改善したヴィーガンミートボールを発売。このミートボールは、動物由来のミートボールに比べてCO₂排出量がわずか4%しかなく、ヨーロッパ全体やオーストラリア、アメリカなどの国々で、ビストロの料理や店舗の加工食品(HUVUDROLL)として提供された。
現在イケアでは、ヴィーガンのホットドッグや乳製品不使用のソフトクリームなどのプラントベース食品も販売している。
イケアは、世界的な温室効果ガス排出量を削減するための取り組みとして今回のような改革案を打ち出した。温室効果ガスの多くが畜産業から排出されていることが指摘されているからだ。
「真のサステイナブルなフードシステムは、おいしくて、栄養に富み、なおかつ環境に配慮した生産方法を取り入れたものでなければいけない。」と、イケア スウェーデンのマネージングディレクター、ピーター・ヴァン=ダー・ポール(Peter van der Poel)氏は語る。
「イケアはバリューチェーン全体に着目することで、サステイナブルなフードシステムの実現に寄与しようとしている。そのために私たちは、環境に配慮した原材料の調達、バリューチェーンを通じての食品廃棄物の削減、循環的でサステイナブルな包装、並びにイケアのネットワークを駆使した健康的でサステイナブルな食の選択肢の提供に邁進している。」
参考サイト:https://vegnews.com/2020/11/ikea-to-make-50-percent-of-food-menu-plant-based-by-2025