111億円増資!アジア初となるネスレの植物肉工場を作る

今年5月、ネスレ中国は、天津で7.3憶元(約111億円)の増資プロジェクトを開始したことを発表した。その中で、アジアで最初のプラントベースの製品生産ラインも含まれ、今年後半に稼働する予定だいうことだ。

ネスレが同日に発表した情報によると、今回の増資は今年のネスレが中国へ行った最大の投資である。資金用途は幾つがある:既存の天津のペットフード工場と製菓工場のキャパシティーの拡大と品質向上に使われること、もう一つはプラントベースの製品生産ラインに投資することだ。プロジェクトの情報によると、生産ラインは主に植物肉製品を生産する予定だということだ。

2019年に代替肉のコンセプトが熱くなるにつれ、ネスレも代替肉のフィールドへの参入を加速しているようだ。2019年9月、ネスレは米国市場でプラントベースのバーガーとミンチを販売し、それ以降も、植物肉のピザとラザニアを発売している。それに対して、中国市場ではほとんど動きが無かったのが現状である。

ネスレ中国の董事長兼CEOであるRashid氏によると、このプラントベース製品の生産ラインは2020年後半から生産に投入する予定だ。大豆製品などの植物由来の製品は中国で長い歴史を持っているため、プラントベースの製品が中国市場での先行きが明るいとネスレは見ているようだ。

ネスレ中国の董事長兼CEOであるRashid氏

今年になってから、スターバックス、KFCやHEYTEAなどますます多くの食品大手が代替肉プロジェクトのテストを開始し、代替肉のコンセプトが多くの消費者を引き付け、発売したすぐに売り切れたようだ。

しかし、代替肉業界の見方では、単純に消費者の猟奇心を人気だと取り上げるわけにはいかないと示している。まだ代替肉の初期段階にある今、大手食品会社は代替肉製品の発売を試みているが、プロモーションについて非常に慎重であり、完全に展開する計画はほとんどないということだ 。

Marketsand Marketsのデータによると、2019年の世界の植物肉の市場は約121億米ドル(約1兆2000億円)に相当し、年間約15%の成長率で増加すると予測され、2025年までに279億米ドル(約2兆9000億円)に達する可能性があるということだ。しかし、代替肉の規模からみると、9457憶米ドル(約99兆円)の伝統肉市場と比較して、植物代替肉のシェアはまだ絶対的な少数となっている。

中国で最初に資金調達を完成した植物肉スタートアップVestaのCMO李少博氏は、国内の消費者にとって現在の植物肉のメリットは不十分であると示した。現在、さまざまな食品会社が生産している人工肉の大部分は、大豆またはエンドウ豆のタンパク質をベースに、本物のお肉に近づけるために押出成形や伸線技術などを通じて作った植物肉製品だ。まずは産量と品質面の安定性が確保できないため日常の食卓に並ぶことは難しい。価格の面では、本物のお肉と比べて競争力が弱いのも事実だ。それに業界のスタンダードが不明で市場も完全に出来上がっていないのである。

中国肉類食品総合研究センターの王守偉局長は、植物代替肉の中国スタンダード制定へ着手していることを明らかにした。ただし、スタンダード制定の参加者によると、スタートミーティングは行っているが、実行に移される期限の予測は難しい。参加者の紹介では、ヨーロッパとアメリカではプラントベースミートについて特定の基準もないが、各企業が製品に対する規制を基本的には統一している。たとえば、タンパク質含有量は16%を満たすなどである。それに対して中国の植物肉の生産基準が混乱していることは懸念されている。

ネスレ中国のCEO Rashid氏の見解では、各企業も模索の段階でプラントベース製品の市場規模を語るには時期尚早で、中国と海外での”人工肉”の市場ベースも異なっている。中国では植物由来の製品はすでに良い基盤を整備しており、ネスレはただ新しいタンパク質源を消費者に提供しようと考えているのだ。それは13.6億人の市場ニーズに向き合う絶好の機会ではないだろうかとRashid氏は述べた。

参考URL:http://news.hexun.com/2020-05-22/201399026.html

Makuakeにてハンバーガーをリリース