【保存版】大手フードチェーンの代替肉バーガーをまとめてみた
|昨年あたりから、代替肉(プラントベースミート)のパティを使ったハンバーガーを提供する大手フードチェーンが一気に増えてきた。今回は各チェーン店で販売されている、代替肉バーガー7品を食べ比べてみての感想や違いをお伝えしたいと思う。
●目次
- モスバーガーの「ソイモス野菜バーガー」
- モスバーガーの「グリーンバーガー」
- ロッテリアの「ソイ野菜バーガー」
- フレッシュネスバーガーの「ザ・グッドバーガー(テリヤキ)」
- フレッシュネスバーガーの「ザ・グッドバーガー(アボカド)」
- バーガーキングの「プラントベースワッパー」
- ドトールの「全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~」
- 代替肉(プラントベース)バーガー食べ比べ 総括
- まとめ
1. モスバーガーの「ソイモス野菜バーガー」
モスバーガーは約6年前からソイパティシリーズを販売しており、チェーン店における植物性パティ使用の先駆者といえる。そして、ソイパティは現在も販売が続いており、根強い支持があることがうかがえる。
ソイパティ自体は、昨年5月のグリーンバーガー発売と同時にリニューアルされたようだ。今回はソイパティのハンバーガーの中でも、野菜の使用量が最も多い「ソイモス野菜バーガー」について実食レビューをする。
■商品概要
商品名 :ソイモス野菜バーガー
価格 :334円+税
販売地域:全国の店舗
公式サイト:モスバーガー
※パティ以外の原材料には動物性食材(卵、乳)を使用
■食べてみた感想
味
野菜たっぷりのためパティの存在感がそこまで強くない商品であった。そのため、ソイパティは通常のパティと比べてさっぱりしていたものの、その点はあまり気にならなかった。パティにはタマネギやキノコが入っており、大豆のにおいはほとんど感じない。
食感
昔と比べるとパティが崩れにくく歯応えが増しており、リニューアルによってよりハンバーガーパティらしくなっていた。ただやはり、通常のハンバーガーのようなジューシーさは欠ける印象を受けた。
総合評価
新鮮でシャキシャキとした野菜がたっぷり入っており、食べ応えはかなりある。ソイパティへの変更に追加料金は要らず、手ごろな価格で食べられる点も良いと感じた。
2. モスバーガーの「グリーンバーガー」
2015年からソイパティを販売しているモスバーガーから、100%植物性にこだわった新しいバーガーが昨年発売された。動物性食材や五葷を使わない”環境と身体に優しいバーガー”として発売された「グリーンバーガー」である。
■商品概要
商品名 :グリーンバーガー
価格 :538円+税
販売地域:全国の店舗(現在は販売していない店舗もあるため要確認)
公式サイト:モスバーガー
※食材の製造工場および店舗では動物性食材を含む製品を生産・製造している
■食べてみた感想
味
トマトベースのソースはとても優しい味わい。パティはソイパティシリーズのものと同じで、通常のパティと比べるとさっぱりしている。
食感
野菜は新鮮でシャキシャキしており、みずみずしかった。バンズは通常のものよりもっちりしており、ほうれん草ピューレや豆乳クリームが原料であるからか、脂質が少なく蒸しパンのように感じられた。
総合評価
全体的にとてもあっさりしており、サラダメインで食べているようであった。ボリュームはやや少なめで、ガッツリ食べたい人には物足りないだろう。
3. ロッテリアの「ソイ野菜ハンバーガー」
ロッテリアからは昨年7月に、主に健康志向の消費者ニーズに向けて、ソイパティを使用した「ソイ野菜ハンバーガー」と「ソイ野菜チーズバーガー」が発売された。カロリー50%カット&ノンコレステロールのマヨドレッシングが使用されていることからも、ヘルシーさに重点が置かれていることがうかがえる。今回は「ソイ野菜ハンバーガー」を注文した。
■商品概要
商品名 :ソイ野菜ハンバーガー
価格 :370円+税
販売地域:全国
公式サイト:ロッテリア
※パティ以外の原材料には動物性食材(卵、乳)を使用
■食べてみた感想
味
マヨネーズがカロリー50%カットということもあり、ガツンと来る感じはなく、ちょうどよい濃さで優しい味である。ソイパティの味付けは薄めで、かなりさっぱりしている。また、大豆の風味がやや感じられた。
食感
ソイパティは弾力はあるが中身が滑らかで、動物性パティの再現性はあまり感じられない。
総合評価
食材、味付けともにさっぱりめで、宣伝文句通りヘルシー志向の商品であった。
※2月15日(月)より、新たに「ソイBBQチーズバーガー」(364円+税)が発売されたので、そちらもチェックしてみてはいかがだろうか。
4. フレッシュネスバーガーの「ザ・グッドバーガー(テリヤキ)」
フレッシュネスバーガーからは昨年9月、100%植物性由来の大豆パティと糖質約45%カットの低糖質バンズが使用された「ザ・グッドバーガー(テリヤキ)」が発売された。地球に、健康に、おいしさにGOODなバーガーとして開発されたハンバーガーとのことだ。
■商品概要
商品名 :ザ・グッドバーガー(テリヤキ)
価格 :480円(税込)
販売地域:全国
公式サイト:フレッシュネスバーガー
※パティ以外の原材料には動物性食材(卵、乳)を使用
■食べてみた感想
味
テリヤキ味がしっかりついており、パティの原料が大豆であることは気にならなかった。
食感
程良い固さ、弾力の大豆パティである。一方で、もう少し分厚いと食べごたえが増すように感じた。
総合評価
とても口当たりがよく仕上がっている大豆パティのバーガー。ヘルシー志向の人にとっては低糖質バンズが使用されている点も良いと感じた。一方で、値段に対して食べごたえが足りないと感じた。
5. フレッシュネスバーガーの「ザ・グッドバーガー(アボカド)」
フレッシュネスバーガーの「ザ・グッドバーガー」シリーズ第2弾。第1弾の「ザ・グッドバーガー(テリヤキ)」の好評を受けての発売とのことだ。
こちらは大豆パティにスライスオニオン、グリーンカール、タルタルソース、アボカドまでトッピングされているというかなりの豪華さ。そして前回同様、低糖質バンズが使用されていて24.9gの糖質というのもありがたい点だろう。
■商品概要
商品名 :ザ・グッドバーガー(アボカド)
価格 :550円(税込)
販売地域:一部店舗を除く全国の店舗
公式サイト:フレッシュネスバーガー
※パティ以外の原材料には動物性食材(卵、乳)を使用
■食べてみた感想
味
味付けがほぼタルタルソースのみであり、その分アボカドの味がしっかりと感じられ、全体としてバランスの取れた味であった。
また具材も多かったので、今回の方がボリュームがあり満足感は高かった。
食感
大豆パティはテリヤキと同様に程良い固さ、弾力であった。ただ具材が増えてタルタルソースもあることで、パティの存在感が前回(テリヤキ)以上に無くなったように感じる。
またそもそもパティ自体が薄かったり、ジューシーさがない点も今後の課題と言えよう。
総合評価
たっぷりの具材でボリュームはしっかり感じられたものの、スライスオニオンやグリーンリーフなど野菜が多いこともあってあっさり食べられる。値段はやや高めだが、前回よりは満足度の高い商品だと感じた。
6. バーガーキングの「プラントベースワッパー」
バーガーキングからも昨年12月、大豆由来の100%植物性パティを使用した「プラントベースワッパー」が発売された。独自の直火焼き製法が生み出すスモーキーな味わいを楽しめ、約2年間の試行錯誤を経て完成した自信作とのことである。
■商品概要
商品名 :プラントベースワッパー
価格 :590円(税込)
販売地域:全国
公式サイト:バーガーキング
※パティ以外の原材料には動物性食材(卵、乳)を使用
※期間限定販売とのことだったが、2月7日(日)現在も店頭で販売されている
■食べてみた感想
味
直火焼きの香ばしいパティにたっぷりのソースで、通常のワッパー同様しっかり濃い目の味付けである。大豆のにおいは一切感じなかった。マヨネーズがかなり多めだったので、苦手な人は注文の際に店員さんに伝えるといいだろう。
食感
パティは固すぎず柔らかすぎずの絶妙な食感。舌触りや断面も動物性パティと見間違えるくらいに再現されている。
総合評価
パティは植物性とは思えない完成度であり、食べ応え抜群であった。ヘルシーなハンバーガーというよりはジャンキーな「ザ・ハンバーガー」というような位置づけだろう。
動物性パティの再現度においては、他のチェーンと比べて群を抜いているように感じた。正直、何も言われなければ大半の人が動物性パティと思って食べてしまうくらい、味も食感も完成度が高い。
※なお、新たに「アボカドプラントワッパー」(790円・税込)も期間限定で発売されている。
7. ドトールの「全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~」
ハンバーガーチェーンではないが、全国的に展開する大手カフェチェーンのドトールからも昨年9月、大豆を主原料としたハンバーグを使用した「全粒粉サンド 大豆ミート」が発売された。宗教や健康、環境配慮など食文化の多様化の背景を捉え、フレキシタリアン向けに開発されたようだ。
プレスリリースによれば、
『香ばしい風味の全粒粉入りパンに、「畑のお肉」ともいわれる大豆を主原料とした大豆ミートハンバーグを使い、シャキシャキとした食感が楽しいきんぴらごぼうとトマト(あらごしトマト、トマトピューレ)をふんだんに使用した和風トマトのソースとともにサンド』
した商品とのことだ。(各食材の主原料に動物性食材を使用していない)
■商品概要
商品名 :全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~
価格 :360円(税込)
販売地域:全国
公式サイト:ドトール
■食べてみた感想
味
ソース、全粒粉バンズ、パティの味のバランスが良い商品。そして、ソースに入っている根菜の食感が良いアクセントになっている。野菜が少なめである分、パティは存在感があり、大豆の風味がやや感じられた。
食感
パティはとても弾力があった。また、中身は粗く不均一感があり、お肉の食感が比較的再現されていた。
総合評価
パティの食感は満足度が高かった。一方で、野菜が少なめでサイズも大きくはないので、食べ応えが足りないと感じる人もいるだろう。ただ今回取り上げた商品の中では最も手頃な価格であり、間食として食べるにはちょうどいいかもしれない。
8. 代替肉(プラントベース)バーガー食べ比べ 総括
7種類全ての代替肉バーガーを食べてみて、各チェーンそれぞれの商品の特徴を感じることができた。大きく分けると健康路線のモスバーガー・ロッテリア・ドトール・フレッシュネスバーガー、ガッツリ系のバーガーキングの2種類となるだろう。
動物性パティの再現性と食べ応えを求める人にはバーガーキングがおすすめだ。そして、ヘルシー志向の中では、筆者は野菜の量と新鮮さに加え、値段もお手頃なソイモス野菜バーガーが好みであった。ハンバーガーとしての完成度ではフレッシュネスバーガーのザ・グッドバーガーも負けておらず、もう1度食べてみたいと感じた。
以下に今回食べた代替肉バーガーの特徴を表にしてまとめたので、参考にしていただけたら幸いだ。(なお動物性原料不使用なのは、モスのグリーンバーガーとドトールの全粒粉サンドのみ)
9. まとめ
今回、ハンバーガーチェーンの代替肉バーガーの食べ比べを行い、それぞれの特徴をよく知ることができた。どの商品も試行錯誤を重ねて商品化したものと思われ、こだわりが感じられる商品ばかりであった。
ほとんどの代替肉バーガーは、パティ以外の食材に動物性原材料が使用されていたり、調理機器が共有されていたりして完全菜食主義の人には対応していない。ただ、身体や環境に優しい選択肢が大手のフードチェーンにもできたことは喜ばしいことである。これからどれだけ肉のようなジューシーさや食べ応えに近づいていくかが楽しみなところだ。
今後は、さらなるSDGsの機運の高まりなどにより、新たな代替肉商品が発売されたり、まだ参入していないフードチェーンが新商品を出したりする可能性が十分に考えられる。よりおいしくより手軽に多くの人が食べたくなる代替肉商品が増えていくことを期待したい。
食べることが大好きです。代替肉は2015年にモスのソイパティで初めて食べて以来色々な商品を食べています。代替肉を食べたことがない人にもよく伝わる実食レビューやその他情報をお届けしていきます!