【保存版】大手カフェチェーンの代替肉サンドをまとめてみた
|2021年に入り、ハンバーガーチェーンだけでなくカフェチェーンにおいても、代替肉(プラントベースミート)を使用した商品を提供する企業が増えてきた。
今回は、大手各カフェチェーン店で販売されている、代替肉サンド5品を食べ比べてみた感想や、商品ごとの違いをお伝えしたい。
●目次
1.ドトールの「全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~」
2.スターバックスの「ハーブトマト&ソイハンバーグ フォカッチャ」
3.エクセルシオールのベーグルサンド「大豆ミート ~バルサミコクリーム仕立て~」
4.タリーズの「大豆ミートのピリ辛ピタサンド」
5.コメダイズの「べっぴんバーガー アボ照り」
6.代替肉(プラントベース)サンド食べ比べ 総括
7.まとめ
1. ドトールの「全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~」
まずは日本国内に約1300店舗を展開するドトールコーヒーショップの代替肉バーガーを紹介する。ドトールは昨年9月、カフェチェーンの中では早い段階で代替肉商品「全粒粉サンド 大豆ミート」の販売を開始した。発売からまもなく1年、商品の販売が継続していることから一定の支持を得ていることがうかがえる。ドトールHPには完全な菜食主義の方に向けた商品ではないとの記載があり、ヴィーガン対応メニューではない。
■商品概要
商品名 :全粒粉サンド 大豆ミート ~和風トマトのソース~
価格 :360円
販売地域:全国
公式サイト:ドトール
カロリー:308kcal
※完全な菜食主義の方に向けた商品ではない
■食べてみた感想
味
ソース、バンズ、パティ、野菜のバランスが良い商品であった。和風トマトソースは酸味が控えめでソースに入っている根菜とマッチしていた。パティには味が付いており、全粒粉バンズと食べるとちょうどよい塩気であった。また、根菜の食感が良いアクセントとなっていた。
食感
この度2021年6月に、昨年の発売開始直後以来久しぶりに食べたところ、パティが当時より柔らかく感じた。また、以前はあった不均一な粒感は消え、繊維感のあるツナのような舌触りであった。一方で、大豆のにおいは感じなくなり、より”ハンバーグ”らしくなっていた。
総合評価
味の満足度が高かった。一方で小ぶりなサイズで308kcalと、食べ応えが足りないと感じる人もいるだろう。ただ、価格は手ごろで代替肉初心者も試しやすく、間食として食べるにはちょうどよいだろう。
2. スターバックスの「グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ」
続いて、今年日本上陸25周年を迎え、カフェチェーン日本一となる1600超の店舗を国内に展開するスターバックスの代替肉サンドを紹介する。スターバックスは今年の3月に代替肉を使ったフォカッチャのサンドウィッチを発売した。同時にオーツミルクやアーモンドミルクを使用したドリンク、スイーツも発売したことから代替食品への対応・移行を進める姿勢がうかがえる。スターバックスHPによると、ソイハンバーグはつなぎに卵を使用しているため植物性100%ではないと記載されており、ヴィーガン対応メニューではない。
続いて、今年日本上陸25周年を迎え、カフェチェーン日本一となる1600超の店舗を国内に展開するスターバックスの代替肉サンドを紹介する。この商品は今年7月14日から新たに発売された代替肉サンドだ。今年3月に発売された「ハーブトマト&ソイハンバーグ フォカッチャ」に続く、大豆ハンバーグを使用したサンドイッチの第2弾である。スターバックスの環境負荷低減への取り組みへの積極性と、春に発売した商品の好評ぶりが伝わってくる新商品となった。 この商品は卵、乳成分を使用しているため、植物性100%ではなく、ヴィーガン対応でないことには注意が必要だ。
■商品概要
商品名 :グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ
価格 :594円(税込)
販売地域:全国
公式サイト:スターバックス
カロリー:426kcal
※動物性食材(卵、乳)を使用しているため、植物性100%ではない
■食べてみた感想
味
みずみずしい野菜がたっぷりで、さわやかな酸味と甘みのトマトソースとともにフレッシュな味わいであった。特にグリルされた夏野菜と、トマトソースが混ざり合った部分はラタトゥイユのようで、他の具材と非常にマッチしていた。ハンバーグは柔らかく、大豆の風味はほとんどしなかった。前作の「ハーブトマト&ソイハンバーグ フォカッチャ」(以下「ハーブトマトフォカッチャ」)のときより、本物の肉に近い食感だった。また、ノンエッグマヨソースが加わることでコクが出て、全体としてさらに満足度の高い味わいとなっていた。
食感
ふんわり柔らかいフォカッチャに、シャキッとみずみずしいレタス・グリーンリーフの食感は、ハーブトマトフォカッチャから変わらず良い点であった。一方、ソイハンバーグは冷蔵状態でも柔らかい食感が維持されており、ハーブトマトフォカッチャのときよりおいしくいただけた。また、ハンバーグの中身の代替肉ミンチは、粒状部分とより細かい繊維状の部分がほどよく混ざっており、動物性のお肉で作ったハンバーグにかなり近い食感が再現されていた。
総合評価
夏野菜がふんだんに使われ、味も比較的さっぱりしており、暑い夏でも食べたくなるメニューであった。また、見た目のサイズから受ける印象通り食べ応えあり、軽食としてはしっかりめのボリュームであった。代替肉のハンバーグに関しては、この春発売したトマトハーブフォカッチャと比べて肉の再現性が高く、うれしい変化であった。
3. エクセルシオールのベーグルサンド「大豆ミート ~バルサミコクリーム仕立て~」
続いて3つ目は、株式会社ドトールコーヒーが運営し、日本国内に約120店舗を構えるエクセルシオールカフェの代替肉サンドを紹介する。エクセルシオールは今年4月に代替肉を使ったベーグルサンドを発売した。全ての食材の主原料に植物由来の食材を使った商品とのことでアレルギー情報に卵・乳・肉類の記載はないが、HPには完全な菜食主義の方に向けた商品ではないと記載されており注意が必要だ。
■商品概要
商品名 :大豆ミート ~バルサミコクリーム仕立て~
価格 :570円
販売地域:全国(一部取り扱いの無い店舗や価格が異なる場合あり)
公式サイト:エクセルシオール
カロリー:359kcal
※完全な菜食主義の方に向けた商品ではない
■食べてみた感想
味
バルサミコの甘酸っぱさにナッツの香ばしさ。くわえて、クレソンの苦みが程よく混ざり合う味わいであった。さらに、マスタードのピリッとした感じがが全体の味をまとめるだけでなく、クレソンと混ざることで、菜の花の辛子和えのような味となり、マッチしていた。代替肉は、ベーコンのような細長い形状のものが2枚入っていた。代替肉以外の具材の主張が強いからか、それ自体の味はあまり印象に残らず、その存在によってボリュームを感じたくらいであった。
食感
2枚入っている代替肉は柔らかく繊維感が縦(噛む方向)にあった。粒感はなく、帆立の貝柱のような食感であった。ベーグルはもっちりしており、中の具材はカリカリなナッツにシャキシャキな野菜でそれぞれの素材が生きた組み合わせだった。
総合評価
彩り豊かで大人な味のサンドであった。お値段はやや高めであるものの素材の種類や味わいから価格に納得感がある商品であった。代替肉自体は何を再現しようとしているのかがはっきりわからなかったが、全体的に食材の組み合わせがとてもマッチしていて味のバランスが良く、満足であった。
4. タリーズの「大豆ミートのピリ辛ピタサンド」
4つ目は、タリーズの代替肉サンドを紹介する。約750店と国内カフェチェーン第4位の店舗数を持つタリーズは、今年5月に代替肉を使った代替肉サンドを発売した。商品名の通り、代替肉をピリ辛味で仕上げ、ピタパンにサンドしたメニューとなっている。タリーズHPには「主要原材料には動物性食材を使用しておりませんが、添加物に動物由来の材料を使用している場合があります。当商品は、完全な菜食主義を目指す方向けの商品ではありません」との記載があり、ヴィーガン対応メニューではない。
■商品概要
商品名 :大豆ミートのピリ辛ピタサンド
価格 :440円
販売地域:北海道・九州・沖縄以外
公式サイト:タリーズ
カロリー:235kcal
※完全な菜食主義の方に向けた商品ではない
■食べてみた感想
味
手前にはブロッコリーと一口大の代替肉がゴロゴロ入っており、コチュジャンのような甘辛味がしっかりついていた。ピタパンの奥の方にはピリ辛ソースが絡んだ紫キャベツの千切りが入っており、口内がヒリヒリするほどの辛さを感じた。全体的にエスニックな味わいであった。
食感
代替肉は弾力があり、噛み切るときの感覚も含めチキンのようであった。また、店内で温めてもらったところピタパンがモチっと香ばしく、おいしくいただけた。
総合評価
全体的に濃いめの味付けで、カロリー以上の食べ応えを感じ、満足感が高かった。ポケット状で食べやすくテイクアウトしやすい一品だが、店内で食べる際は温めてもらうのがおすすめだ。
5. コメダイズの「べっぴんバーガー アボ照り」
最後にコメダイズの代替肉バーガーを紹介する。コメダイズはコメダ珈琲を運営する株式会社コメダの新業態で、プラントベースの喫茶店である。店舗は1つのみで、歌舞伎座にほど近い東銀座駅から徒歩約5分のところにある。大豆が原料の代替肉を使ったサンドウィッチやスイーツなどメニューが充実しており、全て植物由来となっている。今回はその中から代表的なメニューであるべっぴんバーガーをレビューする。
■商品概要
商品名 :べっぴんバーガー アボ照り(ポテトフライ付き)
価格 :1280円
販売地域:東銀座
公式サイト:コメダイズ
カロリー:1127kcal
■食べてみた感想
味
濃いめの照り焼きソースとたっぷりの植物性マヨネーズでこってりした、やみつきになる味わいだった。代替肉パティからは塩気をしっかり感じ、ハンバーグとソーセージの中間のような味だった。2分の1サイズがそのままのったアボカドとフレッシュ野菜は存在感がしっかりあり、特にアボカドと植物性マヨネーズの組み合わせはたまらなかった。また、植物性マヨネーズからはわさびの風味が感じられ、和風な照り焼き味とよく合っていた。
食感
代替肉パティは表面がカリッと焼き上げられていた。中身はやや引き締まっていたが固すぎることはなかった。噛み切るときの食感はお肉のハンバーグのような繊維感が再現されており、中に混ざった椎茸なども良い食感や旨味を出していた。
総合評価
コメダらしい非常にボリューミーな一品であった。それぞれの食材のマッチングは最高で、植物性とは思えないジャンキーさがあった。非常に満足度が高い一品であった。
6.代替肉(プラントベース)サンド食べ比べ 総括
5種類の代替肉サンドを食べてみて、代替肉商品の進化を感じた。大豆っぽさを感じる商品は少なく、感じたとしてもわずかであった。また、どれも味のバランスが良く、リピートされる商品も少なくないだろう。
今回紹介した代替肉商品を大きく分けると、価格が比較的安く食べ応えが軽めなドトールとタリーズのサンド、やや高めだがある程度のボリュームとお小粋さがあるスターバックスとエクセルシオールのサンド、圧倒的なサイズと食べ応えのコメダイズのバーガーとなるだろう。それぞれのカフェチェーンの特徴を色濃く反映する結果となった。
代替肉初心者には手軽に食べられるドトールやタリーズのサンド、ジャンキーな味付けを好む人にはタリーズやコメダイズのサンド、おしゃれさや大人の味わいを求める人にはスターバックスやエクセルシオールのサンドがおすすめだ。
以下に今回食べた代替肉サンドの特徴を表にしてまとめたので、参考にしていただけたら幸いだ。
7. まとめ
今回、カフェチェーンの代替肉サンドを食べ比べて、特徴を知ることができた。バーガーチェーンと比べると後発である分、完成度が高い商品が多かった印象だ。一度に限らず手に取ってもらいたい商品ばかりであった。ここ最近、政府が環境白書にて脱炭素社会の実現への1つの選択肢として代替肉を取り上げるなど、世間一般への代替肉の浸透に追い風が吹いている。日本国内で代替肉の認知を広め、多くの人に手に取ってもらうために、今後のさらなる新商品の発売・植物性素材使用メニューの増加に期待したい。
食べることが大好きです。代替肉は2015年にモスのソイパティで初めて食べて以来色々な商品を食べています。代替肉を食べたことがない人にもよく伝わる実食レビューやその他情報をお届けしていきます!