香港発の植物肉ベンチャー「オムニミート」について徹底解説

 今回は、既に日本にも進出している代替肉のオムニミートと、その生みの親である香港の企業・グリーンマンデーについて解説する。

引用元:グリーンマンデー

目次

  1. オムニミートについて
  2. 企業の成り立ち
  3. 日本での展開について
  4. 今後の展望

   

1. オムニミートについて

・概要 

 オムニミートはアジアでの豚肉の代替の需要に応えるべく、グリーンマンデーの傘下にあるフードテック企業であるオムニフーズ(前Right Treat)が、カナダの食品化学研究機関と二年間かけ、共同開発し、2018年に販売が開始された。エンドウ豆、大豆、椎茸、米などの原料から作られている。オムニミートはコレステロールフリー、遺伝子組み換え原材料、ホルモン剤、抗生物質などは一切使用されておらず、本物の豚肉に比べても、飽和脂肪が86%、カロリーが66%低くなっている。さらに、食物繊維がはるかに多く、カルシウムが2.6倍、鉄分が127%も含まれている。

  

・オムニミートが作られた経緯

 植物肉といえば、欧米発祥のハンバーガーのパティなどに使用される牛肉や鶏肉の代替が中心である。それに対し、アジアの食文化では、豚肉を使用する場面が多く、その消費量も多い。ヤン氏も「中国国内の食肉消費の65%が豚肉」と述べる。アジアの代替肉は、豚肉が必要であることに着目し、アジアの食文化に根ざした商品提供を目指している。

   

・商品ラインナップ

-ランチョンミート(スパム)

-細切りタイプ

-中華まん

-蒸し餃子

-ガパオライス

-焼きビーフン

代表的な豚ひき肉のものと合わせて、アジアの料理に合わせた商品が続々と展開されている。

   

・台湾での爆発的ヒット

 国民のおよそ13%がベジタリアンといわれる台湾であるが、台湾最大手のファストフードチェーン店の「八方雲集」では、オムニミートを使用したヴィーガン餃子が毎週100万個の売上を達成。キャベツや香味野菜とともに、餃子のあんとして、オムニミートが使用されている。

引用元:八方雲集

   

2. 企業の成り立ち

・概要

グリーンマンデー(Green Monday)

本社:香港、創業者:デイビッド・ヤン(David Yeung)

 グリーンマンデーは、2012年に設立され、気候変動、環境問題、食糧問題、公衆衛生、動物福祉などの社会課題に取組み、持続可能な社会に向けた食料システムの構築を目指し、事業を展開する。また、「月曜日は菜食にしよう(グリーン・マンデー)」というキャンペーンも主宰している。

 現在、アジアと欧米で30カ国以上の国と地域で企業、学校、飲食店や政府機関などと連携しながら、事業を展開している。

    

3. 日本での展開について

 今年、日本での正式展開も決まり、5月から一部小売店での販売が開始された。オムニミート公式サイトによれば、以前のレビュー記事でも取り上げたソレイユを含め、都内では、居酒屋、ハンバーガーショップやカフェなど、20店舗の飲食店で取り扱われている。東京以外では、千葉、埼玉、栃木、長野、兵庫、大阪、京都、鹿児島でも取り扱いの店舗があるので、気になる方は、オムニミートの公式サイトからぜひチェックしてほしい。

    

4. 今後の展望

 初代のミンチタイプの他に、次々と、異なるタイプのオムニミートを作り出し、その調理の用途の幅を広げている。アジア発の代替肉として、日本での代替肉の需要の役割も担うことが期待される。今後もどのような商品が登場するのか楽しみだ。

参考サイト:

グリーンマンデー・オムニミートサイト

グリーンマンデー・ジャパンニュース

オムニミート公式サイト

    

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