スターバックスの代替肉を使ったサンドイッチとトルティーヤを食べてみた

今回はスターバックスで新たに発売された、代替肉を使用したフードメニュー「グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ」と「10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ」を食べてみたので、そのレビューをお届けしたい。

スターバックスの「10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ」と「グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ」

   

●目次

 1.スターバックスの植物由来メニューについて
 2.グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ
 3.10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ
 4.まとめ

   

1. スターバックスの植物由来メニューについて

 スターバックスは今年で日本上陸25周年を迎えるアメリカ発のカフェチェーンであり、カフェチェーン日本一となる1600超の店舗を国内に展開している。

スターバックス

今年2月にスターバックスは「2030年までに二酸化炭素の排出量や埋め立てごみの量を50%削減するほか、植物由来のメニューを増やし、環境再生型の農業への投資を行うなど自然資源の活用を見直す方針」を発表した。その流れを受けて、今年の3月に代替肉を使ったフォカッチャのサンドウィッチやアーモンドミルクを使用したケーキとフラペチーノ、オーツミルクを使用したドリンクを発売した。そしてこの度、日本のスターバックスで、7月14日から新たに代替肉を使用したサンドイッチやアーモンドミルクを使用したケーキが発売された。環境負荷低減への取り組みへの積極性と、春に発売した商品の好評ぶりが伝わってくる今回の新商品となった。

 今回実食レビューするのはその新商品のうち2つの「グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ」(税込594円)と「10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ(価格は店舗により異なる)」である。

   

2. グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ 

 この商品は今年3月に発売された「ハーブトマト&ソイハンバーグ フォカッチャ」に続き、大豆ハンバーグを使用したサンドイッチの第2弾となった。

 公式サイトの商品説明によると、「しっとり、もっちりとした食感のフォカッチャにノンエッグマヨソースを塗り、グリル野菜(ズッキーニ・ナス・黄ピーマン・赤ピーマン)・トマトソースで和えたミニソイハンバーグ・玉ねぎみじん切り入りトマトソース・レタス・グリーンリーフを挟んだ」商品とのことだ。また、「ソイハンバーグは大豆たんぱくを主原料としていて、大豆特有の香りも極力抑えることで、まるでビーフのような味わいと食感を楽しめる」とも記載されている。

 この商品は卵、乳成分を使用しているため、植物性100%ではなく、ヴィーガン対応でないことには注意が必要だ。

  

グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ

  

■商品概要

商品名 :グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ
価格  :594円(税込)
カロリー:426kcal
発売日 :2021年7月14日 (金)
対象店舗:全国
公式サイト:スターバックス
※動物性食材(卵、乳)を使用しているため、植物性100%ではない

  

グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャ

  

見た目、中身

 長方形のふっくらとしたフォカッチャは、片手全体でようやく覆えるほどの大きなサイズだ。
 パンの間にはソースや野菜、ソイハンバーグが挟まれている。野菜は大きく分けるとフレッシュな緑の葉物と、四角くカットされたグリル野菜の2種類が入っている。ソイハンバーグは楕円形のものが3つ入っており、ソースは赤いトマト系と白いマヨネーズ系の2種類だ。マヨネーズソースはノンエッグのものであるからか、黄色さがほとんどない白色である。

  

グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャの中身

  

 みずみずしい野菜がたっぷりで、さわやかな酸味と甘みのトマトソースとともにフレッシュな味わいであった。特にグリルされた夏野菜と、トマトソースが混ざり合った部分はラタトゥイユのようで、他の具材と非常にマッチしていた。ハンバーグは柔らかく、大豆の風味はほとんどしなかった。前作の「ハーブトマト&ソイハンバーグ フォカッチャ」(以下「ハーブトマトフォカッチャ」)のときより、本物の肉に近い食感だった。また、ノンエッグマヨソースが加わることでコクが出て、全体としてさらに満足度の高い味わいとなっていた。

  

グリル野菜&ソイハンバーグ フォカッチャの断面

  

食感

 ふんわり柔らかいフォカッチャに、シャキッとみずみずしいレタス・グリーンリーフの食感は、ハーブトマトフォカッチャから変わらず良い点であった。一方、ソイハンバーグは冷蔵状態でも柔らかい食感が維持されており、ハーブトマトフォカッチャのときよりおいしくいただけた。また、ハンバーグの中身の代替肉ミンチは、粒状部分とより細かい繊維状の部分がほどよく混ざっており、動物性のお肉で作ったハンバーグにかなり近い食感が再現されていた。

  

感想

 夏野菜がふんだんに使われ、味も比較的さっぱりしており、暑い夏でも食べたくなるメニューであった。また、見た目のサイズから受ける印象通り食べ応えあり、軽食としてはしっかりめのボリュームであった。代替肉のハンバーグに関しては、この春発売したトマトハーブフォカッチャと比べて肉の再現性が高く、うれしい変化であった。

       

     

3. 10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ 

 この商品は、フィレタイプの代替肉が入ったサラダラップである。2016年に一定期間販売されていた「ホットサラダラップ スピナッチチーズ&ソイミート」以来の代替肉入りラップとなった。

 公式サイトの商品説明によると、「レタス・グリーンリーフ・にんじん・ごま油香る和風ソースで和えたサラダ・フィレタイプの大豆ミート・きゅうり・紫キャベツ・レモンビーンズサラダを、トマトピューレを配合したトルティーヤで包んだ」商品とのことだ。また、「トルティーヤに配合したトマトピューレのトマトの一部は、スターバックスのコーヒー豆かすをリサイクルした、たい肥を使用して栽培されている」とのことだ。

  

10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ

  

■商品概要

商品名 :10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップ
価格  :484円(税込)
カロリー:243kcal
発売日 :2021年7月14日 (金)
対象店舗:全国公式サイト:スターバックス
※動物性食材(卵、乳)を使用しているため、植物性100%ではない

  

見た目、中身

 片手で持てるコンパクトなサイズで、トルティーヤはトマトペースト入りのため、やや赤い。中をのぞくとたくさんの野菜と、それらにドレッシングがかかっている様子がわかる。 

   

10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップの中身

  

 「サラダラップ」の名の通り、野菜メインのトルティーヤであった。野菜が10種類も入っているため味に飽きることはなく、醤油の旨みを感じる和風ドレッシングでさっぱりとした仕上がりであった。フィレタイプの代替肉は真ん中あたりに2~3個入っていた。大きさ、見た目ともに目立つ存在ではなく、よく噛んで食べないと見過ごしてしまうくらいの量であった。味は鶏の胸肉のような、あっさりとした脂質の少ない印象で、サラダに違和感なく混ざっていた。豆は主に下方にあり、ボリューム感を出していた。

  

10種の野菜と5種のビーンズ サラダラップの代替肉の断面

  

食感

 生野菜のシャキシャキとした食感と、豆のホクホク感を楽しめた。野菜も豆も種類が豊富であるため、色々な食感があった。代替肉は野菜や豆とは違う歯応えがあり、メインの材料ではないものの、その存在を確認できた。鶏肉の食感に近いとまではいかないものの、野菜かお肉かといわれるとお肉に近い食感であった。

  

感想

 主原材料は野菜と豆であり、野菜をたっぷりとれるメニューのため、健康志向やベジタリアンの人におすすめの商品であった。また、ボリュームが控えめで、軽食にもいいだろう。代替肉については、フォカッチャサンドとは違うタイプが使われており、複数種類の代替肉が商品に用いられていることは喜ばしかった。さらに、そもそも豆がたくさん入ったメニューであるからかもしれないが、大豆のにおいが気にならなかったことも良かった。

   

  

4. まとめ

 今回、スターバックスから代替肉を使用した商品が2つも出たことや、使用されていた代替肉が進化していたことから、植物由来のメニューを充実させる、同チェーンの姿勢を改めて感じることができた。また、フォカッチャサンドにノンエッグマヨネーズが使用されていることから、「ヴィーガンメニューの導入も近い将来実現するかもしれない」という期待を抱いた。さらに、サラダラップのトルティーヤに、コーヒー豆かすをリサイクルしたたい肥を使用して栽培されたトマトを使用するなど、スターバックスは植物性食品の導入以外にも、環境負荷低減への取り組みに積極的であることが好印象であった。

 2021年のスターバックスの動きを見ると、今後季節ごとに植物性代替肉・代替乳製品を使用した新商品が出るのが定番になるのではという期待を感じさせる。引き続き、プラントベース食品を使用したメニューの増加やヴィーガンメニューの登場に期待しつつ、その他環境に配慮した取り組みにも注目したい。

   

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