ダノンの子会社が子ども向け植物性ヨーグルトを発売

 植物性乳製品を主に扱うダノンの子会社シルクが、昨年12月に子ども向けの植物性ヨーグルト商品を発売した。すでにアメリカ各地の小売店で順次販売開始している。

 今回の商品「シルク・キッズ アーモンドミルク・ヨーグルト(Silk Kids Almondmilk Yogurt Alternative)」は、いちご、アップルシナモン、ミックスベリーの3フレーバーで展開されている。ビタミンDやカルシウムが加えられ、糖類も25%カットされていて、栄養価も高く、子どもの健康に配慮した商品になっている。約100g(4 ounce)のカップが4つで1パックとなって売られていて、小売価格はおよそ500円ほどだ。

シルク・キッズ いちご味
(引用元:Silk)
シルク・キッズ アップルシナモン味
(引用元:Silk)
シルク・キッズ ミックスベリー味
(引用元:Silk)

 シルクの親会社であるダノン北アメリカは、今回の商品を自社の「新たな定番(new normal)」として、先月開催された「リトル・バイツ、ビッグ・インパクト(Little Bites)」で発表した。同イベントでは、業界の専門家が集まり、コロナ禍で生まれた「新しい食の生活様式」について議論が交わされた。その中で話題に上がったのが、

  • 子どもたちが家で食事する機会が増え、子どもを持つ親たち自身が、子どもの栄養管理をほぼ全て請け負っている
  • 家庭で料理をする人たちの中で、植物性の代替食品を活用する動きが出てきている
  • 健康的な植物性のおやつになるような食品が身近にあることで、子どもの食事管理において仕事と家事に追われる多忙な親の役に立っている

           
 「全国の親御さんたちにとって、今は非常に大変な時だと思う。そこで私たちダノン北アメリカは、業界の専門家とともにコロナ禍における子どもの栄養管理に関わる課題について、徹底的に議論した。」とシルク・キッズ アーモンドミルク・ヨーグルトのマーケティング部長、スティアウォルト・リア(Lia Stierwalt)氏は述べる。

 「そんな多くの課題の解決策として、今回こうしてシルク・キッズ アーモンドミルク・ヨーグルトのラインナップを発表できたことを、私たちはとても嬉しく思っている。子どもに愛されるようなおいしい植物性食品でありつつ、親御さんたちをも栄養面で安心させられるようなこの商品ラインと共に、今後も子ども向け商品の事業を展開していきたい。」

シルク(Silk)新商品 子ども向け植物性ヨーグルト シルク・キッズ(Silk Kids)
(引用元:Danone North America)

 また、シルクの子ども向けヨーグルト商品の発表と同時に、ダノン北アメリカはスーパーマーケットチェーンのハナフォード・スーパーマーケット(Hannaford Supermarkets)と共同で、自社の商品およそ1,000万円相当を、困窮する家庭に向け無料で支給することを決めた。提供される商品の中には、シルク、ホライゾン・オーガニック(Horizon Organic)、ダニマルズ(Danimals)の食品などが含まれるそうで、ニューヨーク北東部のフードバンクを通じて各家庭に支給される。

シルク(Silk)の主な商品ライン
(引用元:Danone North America)

プラントベースを推し続けるダノン

 2016年、ダノンは現在の植物性食品ブランドである、シルク(Silk)、ソー・デリシャス(So Delicious)、ヴィガ(Vega)、アルプロ(Alpro)の元親会社にあたるホワイトウェーブ・フーズ(WhiteWave Foods)を約1.3兆円(125億ドル)で買収した。
 それ以降、ダノンは自社の植物性食品ラインを拡張し続け、自社オリジナルのプラントベースラインであるグッド・プランツ(Good Plants)やオイコス(Oikos)のココナッツミルクをベースにした植物性ヨーグルト商品の開発などを手がけてきた。

 また昨年5月には、社内にプラントベース食品の開発事業に特化したチーム(PBAU)を編成し、ダノンの植物性食品の売上を2025年までに、2019年の約2,000億円(2.2億ドル)から約5,600億円(5.4億ドル)にすることを目標に掲げた。新たに発足したPBAUを通じて、ダノンは既存の自社ブランドを引き続きプラントベース領域に移行させつつ、コーヒー、ベビーフード、健康食品など新たなカテゴリーにも展開していく予定だ。

      
参考
SILK LAUNCHES ITS FIRST VEGAN YOGURT LINE FOR KIDS