代替肉作り!豆類タンパクの代わりに、微生物発酵のタンパク質が登場
|バイオテクノロジー企業のSustainable Bioproductsは3月末にNature’s Fyndにブランドを変更し、新たな資金として8,000万ドル(約87億円)を調達したことを発表した。シリーズBラウンドは、1955キャピタル、Mousse Partners、ADMベンチャーなどから出資を受け、これまでのNature’s Fyndの総資金は1億1,300万ドル(約121億円)に達したということだ。
シカゴに本拠を置くNature’s Fyndは、2016年にNASAが支援した研究プロジェクトから生まれた。同社は、イエローストーン国立公園にある高熱の温泉で生息している微生物を発見し、極限環境の微生物を発酵させて完全なタンパク質を作成した。得られたタンパク質には、9つの必須アミノ酸がすべて含まれている。 Nature’s Fyndは最終的に、このタンパク質を使用して独自の食品および飲料製品ラインを作る予定だと宣言した。
ただし、現時点では、Nature’s Fyndはこの発酵タンパク質を実際に大規模に生産し始めていないが、同社はシカゴにある35,000平方フィートの製造施設で今月末に生産を開始すると発表している。 CMOの Karuna Rawal氏は、ブランド製品の小売店への販売は12〜15か月以内に開始する予定だと話している。
Nature’s Fyndがこのような多額の資本を引き付けることができたという事実は、投資家がタンパク質発酵の可能性を信じていることを示唆している。特に注目に値するのは、大手食品会社ADMとDanoneのVC部門がどちらもNature’s Fyndの最近の融資に貢献したことだ(両者ともシリーズAラウンドに参加した)。この2社は将来的にNature’s Fyndの組み替えタンパク質をエンドウや大豆の代わりに自社の無動物製品に組み込めることを期待しているのではないだろか。
Nature’s Fyndはタンパク質を製造するために発酵技術を開発している唯一の会社ではない。Perfect DayとNew Cultureはどちらも、遺伝子組み換え微生物を利用して乳製品のメイン物質を発酵させている。これは微生物が二酸化炭素を食用タンパク質に変換する、いわゆるガス発酵のいとことなる。またMotif Foodworksも動物を使用しない製品を製造しているCPG企業にカスタマイズの発酵タンパク質を提供している。
「私たちのイノベーション技術は自然界自身のソリューションへの研究から開発された。このソリューションによって、限られた資源環境に適応して、繁栄していくことができる」と、Nature’s FyndのCEO兼共同創業者であるThomas Jonas氏は述べている。食糧生産などエネルギー危機の未来を考えると、タンパク質を含めて、食事の主食を作成する新しい解決案に投資するのは賢明な動きである。
参考URL: https://thespoon.tech/sustainable-bioproducts-rebrands-raises-80m-for-protein-fermentation-tech/