真菌タンパクで代替肉を作る、Mycorenaが120万ユーロを融資

先日、フードテックのスタートアップMycorenaは120万ユーロ(約1億5千万円)の資金を調達したことを発表した。FBG Invest、ベルテボス財団(管理しているBertebos賞は農業界のノーベル賞と知られる)、Falkenbergs Sparbanks Foundation、 GlassWall Syndicateと前回の投資者のBåntAB、Plantbase Foundation、Kale United ABもこのラウンドの融資に参加した。

スタートアップ企業「Mycorena」は2017年にスウェーデンで設立され、2019年後半に、食品加工からの廃棄物資源を使用してMycoproteinという真菌を作りだし、真菌ベースのタンパク質製品「Promyc」を発売した。リサイクルされた廃棄原料が食品産業に再導入して、循環経済モデルの生産チェーンを生み出したということだ。

近年人気の植物代替肉は大豆やエンドウ豆などを主原料として作られ、動物性たんぱく質に比べて資源消費量は少ないものの、農業開拓に引き起こされた森林破壊など持続不可能な問題が残されている。漁業飼料としての魚粉の価格は6年間で150%近く上昇し、海の生物の乱獲につながっているということになる。したがって、単細胞微生物から抽出されたタンパク質は、イノベーション食品への新たな希望となっているのだ。

単細胞タンパクの質源には、細菌、藻類、真菌が含まれる。動物や植物を使用してタンパク質を生産する従来の方法と比較して、単細胞タンパク質生産の方がより持続可能なオプションになり得る。天候や地域の条件にも影響されず、再生可能資源からのさまざまな原材料で作られる。

真菌たんぱく質は一般的に高タンパク質成分を50%以上含み、コレステロールの低下、満腹感、栄養価が高いという特徴があるため、主に様々な食品や飲料中の肉代替品として使用されている。また、「Medical Xpress」のレポートにより、真菌タンパク質を摂取した人の筋肉成長率は乳タンパク質を摂取した被験者より2倍以上高いため、真菌タンパク質は筋肉の成長にも役立つ可能性があるようだ。

とは言え、真菌タンパク質は新しいものではない。スウェーデン、イギリス、アメリカなどの国や地域の市場で広く使用されているのだが、Mycorena社の真菌タンパク質製品Promycは革新的だと視される。まず、それぞれの菌類を使用して、より良い食感と栄養を得られること、食品廃棄物と食品の持続可能性など世界的な課題を解決するため、循環経済アプローチを作成したことである。

Mycorenaの製品は二種類ある。食用真菌タンパク質Promyc™Vegaには、60%のタンパク質と12%の食物繊維が含まれ、従来のタンパク質より、比較的少量の脂肪(6%)と炭水化物(3.7%)が含まれており、肉や大豆などの一般的なタンパク質源の理想的な代替品と見なされている。

養殖用に開発した飼料真菌タンパク質Promyc™Aquaには55%のタンパク質が含まれており、魚の飼料生産におけるタンパク質源として魚粉または大豆を使用することの持続可能性の問題を解決できるようだ。

さらに、メーカーは直接Promycを現地で生産できるので、食品生産の分散化も実現できたようだ。それも多くの食品会社がMycorena社に強い関心を持っている原因の一つだ。

Mycorenaのニュースリリースによると、このラウンドの資本は生産規模を拡大するため、スウェーデンFalkenbergに小規模な生産工場の設立に使われるようだ。Falkenbergには多くの大手食品メーカーがあり、業界の相乗効果によってより多くの食品新興企業を引き付け、北欧に食品技術のシリコンバレーを構築するということである。

参考URL:https://www.eu-startups.com/2020/05/gothenburg-based-mycorena-raises-e1-2-million-for-its-fungi-based-protein/

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