フェイクミートの細分化――エンドウタンパクのチキンナゲット

プラントベースのチキンナゲットを消費者の家まで直接届けるアメリカのスタートアップ企業NUGGSは、プレスリリースで今春小売りで発売することを発表した。

2019年に設立されたNUGGSは、エンドウタンパクから作った「チキンナゲット」を製造し、昨年7月に米国で消費者にナゲットを提供し始めた。
D2Cモデル(Distribution To Consumer)以外に、NUGGSは消費者のフィードバックに基づいて製品を変更していくことを宣言している(同社は現在バージョン2.0の開発を進めている)。
NUGGSは、CPG 代理商社Acosta とGreen Spoonを通じて、約一万の小売業者でナゲットの販売を開始する予定だと発表しているが、予定日はまだ通知されていない。

NUGGSは世界最大の冷凍ポテトメーカーMcCain Foodsから 700万米ドル(約7億6000万円)の投資を受けており、この提携のおかけで食料品店の冷凍部門でデビューし、販売ルート開拓のスピードもつけられた。

同時に、冷凍部門にある代替肉の先輩ブランドとの競争も激しくなった。一箱10.4オンス(約0.3L)のNUGGSナゲットは5.99米ドル(約650円)の価格がつけられ、Morningstarの類似製品に比べるとやや高いが、Quornと比べるとかなり価格優勢を持っている。食品巨頭Tysonの自社植物代替肉ブランドRaised&Rooted(9個入りの一箱は6米ドル)とほぼ変わらない値段をしているが、Tysonのものには卵が含まれているため、厳密にいうとヴィーガン向けではない。
植物代替ハンバーグがプラントベースミートのメイン市場を占めたが、プラントベースのチキンを代表する新人のNUGGSには成長の余地がある。

小売りはさることながら、フードサービスに参入するのはNUGGSにとって大きな計画であるが、そこに待っている相手はなかなかの強敵と言えるだろう。
KFCに入った改良版のBeyond Fried Chickenのテスト販売は急速に拡大しており、スタートアップのRebellyousは食堂向けプラントベースのナゲットを販売していたり、数か月前にスコットランドのベンチャーDaring Foods もRastelli Foods Groupと提携してミートレスの鶏肉をレストランと小売店に販売し始めている。

NUGGSを設立する前は、創始者のBen Pasternak氏はゲームアプリのプログラムを作成し、15歳の時に投資を受けたという経歴を持っている。今のNUGGSのチームもかなり若いメンバーを揃えており、8人のうちに3人が二十歳未満なので、食品製造や販売ルートに関する経験に欠けている部分もある。

特にプラントベースミート競争の課題に直面したとき、彼らの若いチームが注目されている代替タンパク質領域で生きていけるのか、懐疑的な目で見られてしまいがちだが、今回の小売発売リリースでは、実力を検証する一歩を踏み出したと言えるだろう。

おまけ
NUGGSホームページ下方のSnakeのリンクをクリックすると、チキンナゲットを追いかけるスネークゲームができる。
https://eatnuggs.com/

参考URL:https://thespoon.tech/nuggs-announces-retail-launch-of-plant-based-chicken-nuggets/


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