植物性代替ミルク6種類を比較、それぞれの作り方や特徴は?

代替ミルクというのは、牛乳などの動物性ミルクの代替となるもので、主に植物性ミルクのことを指す。本記事では、近年徐々に種類が豊富になっている代替ミルクについてまとめていく。

目次

1. なぜ代替ミルクが作られるのか
2. 代替ミルクの種類と特徴
 ・豆乳
 ・アーモンドミルク
 ・オーツミルク
 ・ココナッツミルク
 ・ライスミルク
 ・ヘンプミルク
3. まとめ 

   

1. なぜ代替ミルクが作られるのか

 動物性ミルクが普及している中、なぜ植物性ミルクが必要なのか?その理由を簡単にご説明したい。

①健康面

 植物性ミルクには、動物性ミルクに含まれるラクトースやカゼインが含まれておらず、乳糖不耐症の方や牛乳アレルギーを持つ方でも飲用が可能である。さらに、植物性ミルクはコレステロールを含まないため、コレステロールを気にする方でも飲用できる。

②環境面

 牛乳や乳製品が生産されて消費されるまでに環境に大きな負担がかかっている。オックスフォード大学の研究によると、グラス1杯の牛乳(200mL)を製造する際に排出される温室効果ガスは、植物性ミルクの約3倍となっている。土地利用に関しては、毎日グラス1杯の牛乳を1年間生産するためには、650平方メートルの土地が必要である。これはテニスコート2面分に相当し、植物性ミルクと比較すると10倍以上の量になる。さらに、水の使用量に関して、牛乳は植物性ミルクと比較して約1.5~12倍もの水を必要とする。つまり、動物性ミルクの代わりに植物性ミルクを選択することで、環境負荷を軽減することができるということだ。

③倫理面

 乳牛の置かれている環境をご存じだろうか?草原で放牧され、ミルクを絞られる牧歌的なイメージを抱いている方が多いのではないかと思う。実はほとんどの場合そうではない。乳牛は、人工授精、妊娠、出産を強制的に繰り返させられ、繋がれたまま過ごすかそうでなくても狭い空間で過ごし、本来は20年ほどの寿命があるにもかかわらず、病気になりやすい、乳量が減ったなどの理由で5~6年で屠殺される。また、神経が通っている角を切り取るまたは根元から焼き取る断角・除角や、母牛を必要とする時期の子牛の母牛からの引き離しなどが行われており、乳牛にとって非常に過酷な環境となっている。そのような現状を知ったことで植物性ミルクを選択する人もいる。

   

2. 代替ミルクの種類と特徴

  本記事では、以下の6つの植物性ミルクについて、栄養面環境面からご紹介する。

  • 豆乳
  • アーモンドミルク
  • オーツミルク
  • ココナッツミルク
  • ライスミルク
  • ヘンプミルク 

各ミルクの栄養成分は以下の通りである(200mLまたは200gあたり)。

参照〉牛乳、豆乳、ココナッツミルク:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
           アーモンドミルク:グリコ「アーモンド効果砂糖不使用」                   
 オーツミルク:alpro「砂糖不使用」
ライスミルク、ヘンプミルク:USDA

ここから各ミルクの特徴を詳しく見ていく。

   

 ・豆乳

 豆乳は大豆に水を加えてすりつぶした後、おからを除いたものである。

【栄養面】

 豆乳は他のミルクよりもタンパク質含有量が多く、大豆タンパク質には、血中コレステロール低下作用血圧上昇抑制などの効果があるといわれている。また、イソフラボン(細胞のガン化を抑制骨粗鬆症の緩和)、サポニン(動脈硬化の防止抗酸化作用)、ビタミンB群(脳の機能維持イライラ予防)、ビタミンE(血行促進抗酸化作用)およびフィチン酸(ガン抑制効果)など豆乳には様々な機能性成分が含まれている。

【環境面】

 豆乳は、水、温室効果ガス排出量、土地利用の面で非常に優れた環境性能を持っている。一方、大豆を大量に栽培するために熱帯地域の未開拓地が開かれていることもまた事実である。森林を切り開いて大豆を栽培した場合、豆乳の温室効果ガス排出量は多くなる。現在、大豆栽培による環境負荷の大部分は畜産業に起因しているが、植物性ミルクを選択する場合にも、豆乳だけに頼るのは理想的ではないのかもしれない。

   

アーモンドミルク

 アーモンドミルクは、浸水させたアーモンドを粉砕し、濾したものである。

【栄養面】

 アーモンドミルクの特徴としては、ミネラル、ビタミンE(血行促進抗酸化作用)、食物繊維(整腸)、オレイン酸(便秘解消生活習慣病予防)などの機能性成分が豊富に含まれることが挙げられる。

【環境面】

 アーモンドミルクは豆乳やオーツミルクなど他の植物性ミルクと比較すると多量の水を必要とするが、それでも牛乳と比較したら半量で済む。一方、米国でのアーモンド生産における環境問題として、木の交配に使われるミツバチの死亡率が高いことが挙げられる。原因としては、集約的な工業的農業が行われており、本来であれば数種類の植物から栄養を摂れるがそれができなくなっているということや、グリホサートなどの農薬にさらされていることなどが考えられる。アーモンドの果樹園が小規模で工業化されていないオーストラリアでは、このような問題は起きていないようだ。

  

オーツミルク

 オーツミルクは浸水させたオーツ麦を粉砕し、濾したものである。

【栄養面】

 オーツミルクには、ミネラル、食物繊維(整腸)およびビタミンB群(脳の機能維持イライラ予防)などが含まれており、コレステロール値の低下抗がん作用が期待できるとされている。一方、オーツ麦は一般的に発がん性物質であるグリホサート系の農薬で栽培されている。健康に気を使ってオーツミルクを飲用するのであれば、農薬が使用されたかどうか確かめるべきだろう。

【環境面】

 環境面に関しては、他の植物性ミルクと比較しても温室効果ガスの排出量、水・土地の使用量が少ない。一方、カナダと米国で栽培されているオーツ麦のほとんどは、大規模なモノカルチャー(単作)である。この方法は土壌の肥沃度を低下させ、昆虫の多様性を制限し、病気や害虫の感染リスクを高める。また、大規模な農地に農薬が使用されており、生態系を破壊することも考えられる。オーツ麦の大部分は家畜の飼料として使用されており、植物性ミルクが原因で環境負荷が大きくなっているとは言い難いが、ベターな選択として、農薬不使用の商品を購入することを考えてみてはいかがだろうか。

   

ココナッツミルク

 ココナッツミルクは、ココナッツの果肉をすりおろして搾るか、搾る際に出る脂肪分の多いクリームを水と混ぜて作られる。

【栄養面】

 ココナッツミルクは、比較的高カロリーかつ高脂肪であるが、低糖質である。また、カリウム(高血圧予防)、中鎖脂肪酸(認知症予防)、マグネシウム(高血圧予防)、鉄(貧血予防)および銅(貧血予防)などの成分を含んでいる。

【環境面】

 多量の水と土地を必要とせず、他のナッツ類と同様にココナッツの樹は二酸化炭素を吸収するため、環境負荷が小さいといえる。一方、ココナッツの生産地では単一栽培と熱帯雨林の破壊が問題になっている。ココナッツの木は古くなると生産性が落ちるため、農家は生産量を維持するためにより多くのココナッツの木を植え、化学肥料を使用するようになった。化学肥料が大量に使用されれば、生物多様性や土壌、水、大気の健康が脅かされることになる。また、ココナッツの収穫のためにサルを酷使している企業もある。オーガニックやフェアトレードの商品を購入する意識を持つことで、より環境負荷を小さくできるだろう。

   

ライスミルク

 ライスミルクは米を原料とした植物性ミルクで、作り方としては、浸水させた米を粉砕する方法、米の状態から酵素の働きを利用して液状にしていく方法および米粉を水に溶かす方法などがある。

【栄養面】

 ライスミルクにはカルシウム(骨粗鬆症予防)、ビタミンA(健康な皮膚や目の保持)、ビタミンB12(貧血予防認知症予防)およびビタミンD(骨軟化症や骨粗鬆症の予防)などの機能性成分が含まれている。

【環境面】

 同量のミルクを得るために必要な土地面積が他の植物性ミルクと比較しても小さい。また、オーツミルクや豆乳と比較すると多量の水を必要とするが、牛乳と比べれば半量以下で済む。一方、水田からは温室効果ガスであるメタンが大気中に放出されており、世界のメタン排出量の約1割を占めているといわれている。また、水田では農薬が使用されていることも多く、水田生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。他のミルクと同様、環境負荷を小さくするには農薬不使用の商品を選択するのが望ましいと考えられる。

   

ヘンプミルク

 まずはじめにヘンプについてご説明する。ヘンプとは産業用大麻のことを指す。大麻と聞くと不安になるかもしれないが、ご安心を。大麻(マリファナ)と産業用大麻(ヘンプ)は同じ植物からできているが、精神活性成分の含有量に違いがある。マリファナにはその成分が5~10%以上含まれているが、ヘンプには0.3%~1.5%程度しか含まれていない。ヘンプから収穫できる繊維とコア(木質部)は、石油資源と森林資源等の代替として、また種子(ヘンプシード)は、生活習慣病の改善や予防に役に立つ栄養価の高い食材として世界中で注目されている。ヘンプミルクはヘンプシードを粉砕して水を加えることで作ることができる。

【栄養面】

 ヘンプミルクには、他のミルクよりもカルシウム(骨粗鬆症予防)、鉄(貧血予防)、マグネシウム(高血圧予防)、亜鉛(免疫機能向上)などのミネラルが多く含まれている。また、全ての必須アミノ酸オメガ3脂肪酸血中中性脂肪低下高血圧予防)を含むという特徴を持つ。

【環境面】

 ヘンプは成長が早く連作が可能である上、地球上のほとんどの気候に適応し、栄養の乏しい環境でもよく育つ。害虫や病気に強く、農薬や肥料を必要としない。水資源についても、大豆よりは多くの水を必要とするが、他のミルクと比較すると少量でよい。また、ヘンプには土壌中で根を張り巡らし、傷んだ土壌を改良する力がある。他の植物性ミルクと比較して土地や農薬などの問題が少なく、ヘンプミルクは注目されており、今後広まっていきそうである。

  

まとめ

 6種類の代替ミルクについて栄養面と環境面からご紹介した。本記事の執筆を通して学んだことは、環境面で牛乳よりもメリットが大きい植物性ミルクにもそれぞれ課題があるということだ。環境のことを考えて植物性ミルクを選択するなら、農薬が使用されていないか、フェアトレードであるか、動物を酷使していないかなどに気をつけ、よりよい商品を購入したい。また、1種類のミルクに頼らず複数種類のミルクを楽しみ、単一栽培による環境影響を減らせればと思った。さらに、輸送による化石燃料の使用も無視できないため、可能な限り近くで生産されたミルクを購入するようにしようと思う。

 ネクストミーツではオーツミルクを販売している。国内で製造しており、食塩、香料、植物油、保存料および乳成分などを使用していない。ぜひオーツ麦の甘さとコクをお楽しみいただきたい!

   

参考文献

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https://www.verywellfit.com/coconut-milk-nutrition-facts-calories-and-health-benefits-4110358

https://www.verywellfit.com/rice-milk-nutrition-facts-and-health-benefits-5079660

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https://www.hempkitchen.jp/user_data/eco

https://www.onegreenplanet.org/environment/is-your-obsession-with-coconuts-harming-the-environment/

https://www.sciencealert.com/which-milk-is-better-for-the-environment-the-answer-may-surprise-you

https://www.cnn.co.jp/business/35165822.html

https://www.foodunfolded.com/article/is-soy-bad-for-the-environment

https://brightly.eco/the-environmental-impacts-of-different-dairy-and-dairy-free-milk/

https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/114/mgzn11412.html

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