ベンチャー創業者の思い――代替肉は中国での見通しはあるのか

中国植物代替肉の会社Vesta(中国語名:未食達(北京)科技有限公司)は2019年7月に設立しており、融資金額は未公開だが、今はエンジェル段階の資金調達を完成したようだ。

創業者の解子涵氏の紹介によると、自社代替肉の開発は分子ガストロノミーの考えに啓発され、お肉を分解して、分子の成分を一々分析してから、植物で代替するということだ。

創業チームは大手企業の経験豊かな帰国エリートであり、チームメンバーは世界トップグラスの食品研究機関の研究員や分子科学者など、ミシュランレストランのシェフも入っているようだ。

“次世代の肉は必ず技術が導き手として動いて、消費市場に入るのはこれからだと思います。”
解子涵氏は語った。

“現在、次世代肉業界の競争はテクノロジーの競争と認識されている。Impossible Foodsの研究開発は5年で、8000万米ドル(約86億円)かけていたが、中国ではローカル素食企業の経験に参考にすることで、無駄な回り道を避け、開発時間は10~12ヶ月に短縮できるのではないかと語っており、この段階では技術開発と資金は重要な課題と視されている。

市場開拓の進捗に関して、Vestaの最初の原形が出来あがっており、テストと改善に力を入れている段階だ。植物代替の牛肉は初代製品として、グルメのKOLと料理人と共に、オンラインとオフラインを合わせて進めていく予定で、レストランや消費者に代替肉料理を普及させることで、この段階を完成させるということだ。

では、中国市場は次世代の肉を求めているのか?

多くの人に知られているように、欧米では環境問題や動物保護などの課題に関心を持つだけではなく、実際に動いてベジタリアンやヴィーガンになる人も多くなったことから、次世代肉が人気を博した。

だが中国では素食は長年宗教の領域に留まっており、いまさら植物代替肉として起業したとしても、中国市場に受け入れられるのかと疑問の声が大きいようだ。

それについて解子涵氏の思いとしては、海外市場と違い、中国だと食品安全の問題は植物代替肉のブームを引き起こせる強い原動力であるとしている。昨年から、豚インフルエンザによって豚肉の市場に影響が出るのもそうだが、水増やしやホルモンオーバーの肉、賞味期限切れの冷凍肉などは常に中国人を困らせる不安な問題点である。

お肉に水を増やす実験(デモ)

農業イノベーションと養殖過程の規模化、標準化させるのは問題改善の複数の手段だが、テクノロジーを通じて代替肉を生産し、肉を食べたい欲望を満足させ、クリーンで安心な食品革命こそ根本的に問題を解決できるのではないか。

参考URL:https://36kr.com/p/5246457

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