ヴィーガンレストラン遊民カフェにインタビュー 〜フェイクミートを通じた地球保護〜
|今回は東京目黒区でヴィーガンレストランを経営される遊民カフェ代表の遊民さんに話を伺ってみた。
遊民さんはヴィーガン向けレストランを約10年に渡り経営しており、自身も完全なヴィーガンではないが、かなりヴィーガンよりな生活をしている。カフェ経営は一部と語る遊民さんは、ヴィーガン料理研究家でもあり、メニュー開発や講演、料理教室も開いている。海洋プラ削減として、ゴミを減らすことにも取り組んでおり、「地球全体の問題として環境活動家になりつつある。」とも話しており、多忙な女性だ。
若い頃に病気で両親を亡くしたことがきっかけとなり、健康や食について勉強するきっかけとなった遊民さん、自身でも色々な食生活を試した中で、ヴィーガンが一番自分に合っていたと語る。
「その頃から、日本人はお肉を食べすぎではないかと感じるようになって、それが近年の病気につながっているのではないか」と話す。昔はあまり多くはなかった病気が増えてきていることについて、食生活を昔に戻すべきではないかと考え始めたという。
「昔は“晴れの日”(お祝い事など)にお肉を食べていたんですが、現代では毎日が“晴れの日”になっている。これが健康に影響しているのではないか」と食の勉強をする中で感じていた。
動物性のものを減らすべきであるという考えから、レストランを開いて、少しでも、こういう事を知ってもらうきっかけを提供している。自宅でカフェを始めてから、4年前に現在のレストランを開いた。
「始めた頃はヴィーガンという言葉も無く、一般的には素食というと地味な感じで、男性にとっては物足りないイメージがあった。」とのことで、男性でも満足できるようなボリュームを出したメニューも展開している。自身の感覚だと、ここ2、3年で外国人のお客さんも増えたという。
お客さんの中には、アレルギー持ちの人や宗教上食べられるものが限られている人などが来るとのことだが、最近ではベジタリアンでもヴィーガンでもないが、健康志向な人もかなり多く、ヴィーガンのお客さんは1割程度とのことだ。
「お肉は好きなんです。」と話しているが、今話題になっているアメリカのフェイクミートのように肉に近づける努力をしているというよりは、どう美味しく食べてもらうかに気を使っているとのことで、「肉の代わりに我慢して食べるものではないと思うんです。その料理の方が好きになるという感覚で、敢えて似せるという考えよりも、どう美味しく食べるかに意識を置いています。」と語っている。
「今回の新型コロナウイルスもそうだが、食の問題や安全性についてはこれから重要になってくる。これから自給自足の時代はやってくる」と考える遊民さん、自給自足するにも野菜はちょっとしたところで育てられるが、畜産は難しく、その中で代替肉の需要も増えると自身は考えている。
現在レストランで使っている代替肉は乾燥タイプのものを使っているとのことで、「生肉より日持ちがするんです。これは食料の備蓄という面でも大きなメリットになります。レストランとしても食材のロスがなくなるので、無駄がなくなります。」と話している。
ヴィーガンレストランを経営する上で、何か課題や問題点がないか聞いてみたところ、特にないと話す遊民さん、「大豆ミートによって、ヴィーガン生活の中にあったタンパク質不足という点は解決されました。フェイクミートがあることで、栄養的には何も問題ないんです。」ということだ。ヴィーガンやベジタリアン向けというハードルについても、健康志向の人が多く、一度食べたらイメージが変わるので、リピートするお客さんも多いという。
ヴィーガン市場について聞いてみました。
「感覚的には日本はベジタリアンやヴィーガンの市場は、欧米に比べると遅れていました。しかし、この2、3年で増えてきた実感はあります。東京オリンピックも大きな機械になるのではな位でしょうか」と話す。日本では欧米のように、ヴィーガンと公表している有名人はほぼ皆無で、そういう部分についても期待を持っている。
日本の市場が遅れているとはいえ、日本では精進料理という文化があることで、発酵食のものが多いということだ、味噌や漬物などもそうだが、発酵食というのは旨味になるので、美味しく食べれて健康的とのこと。
こういった“ジャパニーズヴィーガン”ともいうべき精進料理の文化は海外でも注目されていて、これらのものが海外に出て行く機会はたくさんあると語る。
そういう意味でも、日本食を見直す機会になるのではないかとのことだ。
最後に
「veganにしてくださいとお肉摂取を否定しているのではなく、毎日お肉を召し上がっている方は週に1回はお肉無しの日にする。もしくは毎食召し上がっている方は1食はお肉無しにする。」と話しており、これだけでもCO2削減となり、ご自身の健康と同時に地球の健康にも繋がるとの事だ。
「ベジタリアンやveganと聞くと堅苦しいイメージがあるように感じられる方も多いかと思いますが、もっと気楽に今よりも少しveganよりの生活をして頂くことが地球環境問題としてサスティナブルなことだと思います。」とメッセージを残してくれた。
遊民カフェ:https://www.facebook.com/%E9%81%8A%E6%B0%91cafe-113039295872578/?ref=page_internal
遊民さんブログ:https://ameblo.jp/happymocha/