植物性肉が動物性肉より安くなるのは意外と早い?

非営利団体Good Food Institute(GFI)の新しい情報によると、植物由来の肉のコストは、2023年までに従来の動物由来の肉と同等になると予測されている。消費者は、動物性食品と比較してそれほど高価でない新しい植物性食品を試す可能性が高いため、価格同等性を達成することは主流になるために重要である。

 GFIが消費者調査会社Mindlabと共同で行った最近の調査では、消費者は植物由来の製品を購入する際に(味に次いで)2番目に重要な要因として価格を挙げた。植物性肉の小売売上は2020年に45%成長するものの、Neilsonのデータによると、1ポンド(約450g)当たりの価格は現在、従来の牛肉の2倍、豚肉の3倍、鶏肉の4倍となっていることが明らかになった。この価格差が縮まれば、植物由来の製品の購買意欲を高めることができると思われる。

 価格が同等になるには、植物由来の食品にはいくつかの障害が立ちはだかる。畜産業がコストを抑えてこられたのは、政府の補助金を得て、食用の動物を何十年も大規模的に屠殺してきたからだ。しかし、植物由来の分野は歴史が浅く、同じような規模の経済性を実現するには至っていない。

 GFIのコーポレート・エンゲージメント・プロジェクト・マネージャーの Emma Ignaszewski氏は、VegNewsの取材に対し、「価格同等性を達成するには、規模が重要になる。植物性肉のサプライチェーンをより効率的にし、リスクへの耐性を高めることは、メーカーのコスト削減につながり、最終的には消費者の値ごろ感を高めることができる。」と語った。

2032年、動物性肉の終焉?

 投資会社Blue HorizonとビジネスコンサルタントBCGによる2021年のレポートでも、消費者に受け入れられるかどうかの鍵は価格同等性にあると指摘している。同レポートでは、代替タンパク質は、代替となる従来の食品と同等の味と食感を持ち、コストが同じかそれ以下でなければならないと指摘している。同社の調査によると、価格の同等性は3つの重要な段階を経て実現する。

  1. 2023年には、大豆やエンドウ豆などの植物性タンパク質から作られたハンバーガー、乳製品、卵の代用品などの植物性製品が価格同等性を達成する。
  2. 2025年には、菌類、酵母、単細胞藻類などの微生物から作られた代替タンパク質が同等になると考えられる。
  3.  2032年までには、動物の細胞から直接培養されたタンパク質(しばしば「細胞ベースの肉」または「培養肉」と呼ばれる)が価格同等に達すると考えられる。


 GFI独自の調査によると、2030年には培養肉の生産コストが1ポンド(約450g)あたり2.92ドル(約340円)に達すると予測されており、培養肉が一部の従来の動物性肉とコスト競争力を持つようになる可能性があるという。

「消費者が植物性肉製品の味に満足しない限り、このようなことは起こりえない。消費者が購入しない商品の規模を拡大しても意味がない。だから、企業は何よりも、従来の肉と同じかそれ以上の味に近づけるために植物由来の製品を作らなければならない。従来の肉と同じ味、あるいはそれ以上の味を持つ植物由来の製品を、価格も同等になるように規模を拡大していくことが、黄金の方程式なのだ。」と Ignaszewski氏は言う。

動物性肉のコストが上昇する理由

 GFIによれば、植物性肉の価格同等性の進展は、生産コストだけでなく、従来の動物性肉製品のコストを引き上げる市場効果にも影響されるという。投入コストの上昇、食肉加工業者の労働問題、サプライチェーンの中断など、最近の畜産業の動向はすべて畜産肉の価格に影響を与えている。2021年秋、牛肉、鶏肉、豚肉などの従来型食肉カテゴリーは、2020年の同じ週と比較して2桁の価格上昇を示した。一方、植物性肉の前年比価格は減少または横ばいであった。

 また、COVID-19のパンデミックの発生時には、労働者の間でCOVID-19が流行したため、各地の食肉処理場や食肉加工場が閉鎖に追い込まれ、食肉のサプライチェーンに遅れが生じた。食肉処理場では密集して働いているため、労働者が感染するリスクも高くなる。

 GFIは報告書の中で、「このような中断とそれに伴う従来のカテゴリーの価格上昇は、従来の食肉サプライチェーンにおける生産の非効率性と密接に関係している。」と述べている。

植物性肉は同等に近づきつつある

 近年、大手ブランドやプライベートブランドは、植物性製品の需要をさらに高めるために、すでに動物性肉よりも低価格にする試みを行っている。2020年、Trader Joe’s(トレダー・ジョーズ)はエンドウ豆タンパク質を使用した植物性バーガーのパティを発売し、クォーターパウンド(約110g)のパティ2枚で4.49ドル(約520円)という価格をつけた。Kroger(クローガー)も2020年に植物由来の鶏挽肉を発売し、1ポンド(約450g)入りで6.99ドル(約810円)という価格設定にした。

 昨年、植物性食品のブランドであるImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)は、植物由来の挽肉について1年以内に2度目の値下げを発表し、希望小売価格を20%減の1ポンド(約450g)あたり9.32ドル(約1080円)に引き下げた。競合のBeyond Meat(ビヨンド・ミート)も、2024年末までに少なくとも牛肉に関して、動物性タンパク質よりも低価格にすることを目標にしていると述べている。


引用元:Trader Joe’s

まとめ

 現在2022年であるから、大豆やエンドウ豆などから作られる植物性肉の価格が動物性肉と同等になる日は目前に迫っているということだ。プラントベースの食事を始める前に食べていた料理を、味、価格ともに負担を大きくせずに代替肉で再現できるようになるというのは、多くの方々がプラントベースの食事を取り入れ、継続するきっかけになるのではないかと思う。ネクストミーツでも、美味しさを追求するとともに、より低価格で商品を提供するための取り組みをおこなっているので、今後にぜひご期待いただきたい!

 

参考サイト

https://vegnews.com/2022/2/cheaper-plant-based-meat

https://vegconomist.com/companies-and-portraits/beyond-meat-aims-to-underprice-beef-by-2024/

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