「お肉の終着点はここにある」なら、次はどうなるのか
|5月21日に、小説家のJonathan氏が「お肉の終点はここにある」(The End of Meat is Here)というレビュー文章をNew York Timesで発表し、すぐにツイッターで話題となった。
記事の内容は次の三点に要約される:
・動物農業は地球温暖化の主要な原因となる一つ;
・生き残すためにも、繁栄するためにも動物性タンパク質は必要ない;
・工場農業が消えても、家族経営の農場は影響を受けない。
彼はまたCOVID-19が検証した工場農業の生産に伴う問題について説明した。屠場内に大量の感染者数と、今回屠場が閉鎖されてしまった時、農民が動物を安楽死させることを余儀なくされているのを指摘した。
「ここ数年は人工肉のドアノブに手を伸ばしていますが、 COVID-19がこのドアを粗暴的に開けました」と彼は書いている: 「少なくとも、私たちがこの問題に直面させられました。」
さて、お肉の終着点が来たら、次はどうなるだろうか?
COVID-19で引き起こされた最近の変化に基づいて、今見えてる終点の後は次のようになっている:
- 選択肢のメインはプラントベースのものだ
伝統的なお肉がなくなった場合、プラントベーストミートが確かに最も実行可能な代替品のように思われている。ベジタリアンやヴィーガンからImpossible FoodsやBeyond Meatのような破壊者まで、プラントベーストフードの影響力が急速に広がっている。一般人にとっても、バーガーキングやスターバックスなどから植物代替肉の食品を手に入れることさえできるようになった。
Cargillのような大手食品会社も、自社開発の植物代替品で人工肉領域に参入しており、また、RebellyousやPlantibleなどの小規模な新興企業も、商品化のスケジュールを加速するために資金調達しているようだ。
現在、企業はステーキから生のマグロまで、すべてをプラントベースにする技術を開発している。投資を増やすことで、今後10年以内に、理論的には消費者はあらゆる種類の代替肉を購入することができるという。
2、ブレンド肉の追い越しタイミング?
動物の肉と植物性タンパク質を組み合わせて作られたブレンド肉は、工場で飼育されているお肉からの移行期の一時的なギャップだと思われる。 Impossible burgersとRebellyousナゲットの食事に切り替える準備ができていない消費者には、ブレンドされたビーフハンバーガーとチキンナゲットでお肉を引き離すことができる。
現在、ブレンド肉製品を提供する企業はそれほど多くないが、世界最大の肉類生産者の2つであるTysonとPerdueは、過去数か月にわたってブレンド製品のラインを立ち上げたそうだ。より多くの人工肉会社にとっては、自社製品の供給を拡大し、コストを削減するためのブレンド製品開発に良い例を挙げた。
3、間もなく来るクリーンミート
細胞ベースの肉が市場に出る時、もしくは手頃な価格でアクセスできるようになったときこそ、本当にお肉の終点を迎えることができるのだろうかと思われている。
規制問題は現在培養肉にとって最大のハードルだが、筆者の推測だとそれが市場に出るまで少なくとも1年、伝統のお肉と同じ値段に至るまでには、おそらくあと10年かかるだろう。しかし、COVID-19がお肉の値段を急上昇させ続けると、培養肉は予想よりも早く同等の値段に達する可能性が高い。
4、未来のタンパク質源
すべての代替肉が植物性のタンパク質に依存しているわけではない。Motif Foodworksのような企業は、微生物の発酵を使用して、オーダーメイドのタンパク質と他の要素を作成し、お肉をより正確的に擬似する技術を開発している。 Air ProteinやSolar Foodsなどの一部の企業は、二酸化炭素を使用してタンパク質を作成しているそうだ。
代替肉の人気が高まるにつれ、生産者はエンドウと大豆タンパク質だけでなく、新しいインプットを模索する可能性がある。発酵は、より進化して、手頃な価格でお肉を代替できる鍵となるのではないだろうか。
次世代のお肉は一体どれだろう?
Jonathan氏の記事では、なぜ肉の終わりの時を迎えたのかを論じたが、現実をみるとそれははるかに複雑だ。
猛烈な勢いで肉が一度に消えることはないわけだが、代わりに、プラントベースのお肉やブレンドミートなど、従来の肉から代替肉へと段階的に移行する見通しがある。そして、いったんクリーンミートが量産できると、工場栽培のお肉の必要性がなくなっていく。
それこそ、お肉の終点が実際にたどり着く夜明けの時だろう。
参考URL: https://thespoon.tech/if-the-end-of-meat-is-here-whats-next/