IntegriCultureとShiok Meatsの提携に注目:高級培養エビのコストダウンを可能にする

日本の人工肉スタートアップIntegriCulture Inc.とシンガポール会社Shiok Meats Ltdが正式にコラボレーションを進めることを発表した。後者の細胞ベースのエビの生産を拡大するため、IntegriCulture のCulNetシステムを使用して培養エビ肉を作成するということだ。動物の血清を必要としないので、培養エビを生産する総コストを下げることが可能になるようだ。

Shiok Meatsの共同創設者であるSandhya Sriram博士は以下のように述べた、「伝統的に、動物の血清は、製薬/学術研究において、細胞や幹細胞の成長に使用されています。しかし、これは倫理的でも持続可能なものでもないため、細胞ベースの肉には意味がありません。それに、血清はとても高いです。したがって、ほとんどの細胞ベースの企業は、植物ベースや安価で持続可能な血清の代替品を検討しています。」

共同創設者Dr Ka Yi Ling と Dr Sandhya Sriram

Shiok Meatsは、エビから始まる細胞ベースの甲殻類の代替肉に取り組んでおり、次の段階でカニとロブスターの開発を計画しているようだ。

Shiok Meats チーム

IntegriCultureはSpaceSaltと呼ばれる食品レベルの培養培地と、CulNet™システムという拡張性のある安価な細胞培養プロトコルを提供した。 Shiok Meatsはこのシステムが既に牛肉と鳥肉の培養に成功していることを報告しており、現在、二社はこの技術を通じて培養エビ肉の作成コストを削減する準備が整っているようだ。

©Integriculture

両社は最近資金を調達しており、Integricultureは今年5月に740万米ドル(約7億8000万円)を調達し、Shiok Meatsも6月末に300万米ドル(約3億2000万円)【累計760万米ドル(約8億円)】の資金を調達した。

この培養エビ肉のタイムラインについて披露されていなかったが、一般的に消費者市場に届くまでしばらく時間がかかるのは理解できる。 IntegriCultureは初代製品である細胞ベースのフォアグラは2021年に発売する予定で、Shiok Meats は2019年の春に、細胞ベースのエビ餃子の公開試食テストを行ったが、商品化するまでにまだ3~5年かかるようだ。

Shiok Meatsの培養エビ餃子

培養肉のスタートアップは最近資金調達と拡張の面では確実に活躍し始めている。メンフィスの人工肉企業Memphis Meatsは、2020年に1.61億米ドル(約170億円)の資金を調達したことにより、世界の投資家が培養肉への資金投入を2倍以上増加し、BlueNaluは、培養シーフードの市場テストを行うため、六月に施設を拡大することを発表し、同じ細胞ベースのスタートアップTurtle Tree Labs とBIOMILQも培養母乳のプロジェクトに融資完了など活発になってきている。

スーパーで培養肉製品をカートに入れるまでは長い道があるかもしれないが、このドメインの新しい展開と融資など次々と目に入ってくるニュースは、SF動画に描かれた物語がますます近づいてくることを示している感覚だ。

参考URL:https://vegconomist.com/companies-and-portraits/breaking-integriculture-inc-and-shiok-meats-pte-ltd-collaborate-to-scale-cell-based-shrimp-meat/

Makuakeにてハンバーガーをリリース